3日目、首位のタナクが軍事施設内を快走!

3日目の舞台はラリー・ドイツの名物ステージであるバウムホールダー軍事演習場内にある「アリーナ・パンツァープラッテ」。路面は荒れたコンクリートで滑りやすく、戦車の脱輪防止用として路肩に埋め込まれた「ヒンケルシュタイン」という大きなブロックに触れると大ダメージを受け、これまで多くのドライバーが洗礼を受けてきました。降雨時はより滑りやすくなるため、悪夢のような難ステージと知られています。

ラリーを左右する3日目の天候は、前日とは打って変わり、晴天に恵まれました。

3日目はSS9〜17の9ステージが行われ、5.7秒という僅差で争う総合首位のMスポーツのオット・タナクと2番手につけるシトロエンのアンドレアス・ミケルセンが注目を浴びましたが、この日は首位のタナクが快走を見せました。

SS9とSS11でベストタイムを記録したタナクが、序盤からミケルセンを引き離しにかかります。SS12でミケルセンがベストタイムを出すものの、この時点で2人の差は23秒に拡がっていました。逆にミケルセンは24.9秒差でスタートした3番手を走るMスポーツのセバスチャン・オジエに6.9秒差まで迫られていました。これはMスポーツの2台とミケルセンのタイヤ選択で明暗が分かれたようです。

その後、タナクはリスクをかけず、ミケルセンとの差をキープするようペースをコントロール。ミケルセンはオジエに4.5秒差まで迫られたものの、最終的には8.2秒差まで引き離しました。

また、総合3番手につけていたヒュンダイのティエリー・ヌービルはSS9でサスペンションを破損したため、デイリタイア。これにより、3日目終了時点で、総合首位にタナク、2番手にはミケルセン、3番手にはオジエがつけました。

最終日、タナクの今シーズン2勝目なるか?

最終日はSS18〜21の4ステージ。オープニングのSS18を制したのはトヨタのユホ・ハンニネン、SS19はトヨタのエサペッカ・ラッピがベストタイム、ヤリ‐マティ・ラトバラがそれに続くなど、トヨタ勢の奮闘が見えた中、総合2番手のミケルセンがオジエとの差を拡げました。

そんな中、総合首位を走るタナクは、リスクを避け、安定した走りで2位との差をキープし、見事に完走!これにより、タナクが第7戦のイタリア以来となる今シーズン2度目の勝利を飾りました。

2位はミケルセン、3位にオジエが続きました。オジエはSS21のパワーステージでボーナスポイントも獲得し、これによりドライバーズ選手権の単独トップに返り咲きました。

次戦は第11戦のラリー・スペイン。今シーズンも残すところ3戦。チャンピオン争いもますます白熱してきますね。

WRCラリー・ドイツ終了後暫定リザルト

WRCラリー・ドイツ終了後暫定リザルト

1. オット・タナク(フォード・フィエスタWRC) 2:57:31.7
2. アンドレアス・ミケルセン(シトロエンC3 WRC) +16.4
3. セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC) +30.4
4. ユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC) +1:49.2
5. クレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC) +2:01.5
6. エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC) +2:03.4
7. ヤリ‐マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC) +3:58.2
8. ヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC) +4:32.4
9. アルミン・クレーマー(フォード・フィエスタWRC) +10:19.4
10. エリック・カミリ(フォード・フィエスタR5) +10:44.3

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