グルテンフリー
この言葉をみなさん知っていますか?
最近では男子プロテニスプレイヤーである、ジョコビッチ選手が自身の本で実践していることを明かし、世界ランク1位に上り詰める原動力になったと紹介しています。
ジョコビッチ選手は、グルテンを断ってから11ポンド(約5kg)やせ、スピード、柔軟性、集中力が増した気がすると述べています。
今回は、この「グルテンフリー」についてまとめてみました。

グルテンとはなんだ?

まずはじめに、「グルテン」とは一体何なんなのでしょうか。
グルテンは、小麦・大麦・ライ麦などの穀物に含まれるある2種類のタンパク質を水で練り上げたときにできるタンパク質で、多くの人にとっては日常生活において無意識に摂取しているものです。
グルテンは水に溶けにくく、また消化されにくいため、血糖値の上昇の原因となってしまいます。

グルテンが含まれる食事としては、パン・パスタ・うどん・お好み焼き・ケーキ・クッキーなどが挙げられます。逆にグルテンが含まれない食事は、そば・ビーフン・米・魚介類・肉・野菜などです。

グルテンフリーとグルテンフリーダイエットと同じ?違う?

「グルテンフリー」の言葉の他に、「グルテンフリーダイエット」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
「どのようなダイエットなのか?」「ジョコビッチはなぜ痩せようとしたのか?」なんて思った方も多いのではないでしょうか。

ここには言語のカラクリが存在していました。
英語では「G-free diet」とも表されますが、そもそも英語で表す本来の「diet」の意味は「減量」ではなく「食事」です。つまり、グルテンフリーダイエットとは「グルテンを摂らない食事」という意味であり、体重を減らすことに重きを置いている言葉ではないのです。「グルテンフリー」は、グルテンの入らない食物のこと。「グルテンフリーダイエット」は食事。とはいえ、概ね同じ意味と考えていいでしょう。

実際は体質改善や食習慣の向上が減量にも役立ってくれることが多いため、日本においては減量の意味も兼ねてグルテンフリーダイエット、と呼ばれることが多いようです。

なぜ痩せるのか

グルテンは水に溶けにくく消化されにくいため、血糖値の上昇の原因となります。グルテンを意識的に摂取しないことで得られる最も大きな効果は、血糖値を上げないことだと言われています。血糖値が上がらなければ、脂肪の蓄積の原因となるホルモンのインスリンも分泌されなくなるのです。

グルテンの含まれない食事はもともと、セリアック病・グルテン過敏症・小麦アレルギーなどのグルテンの摂取が原因で発症するような疾患を持つ患者さんが食べていました。詳細は定かではありませんが、このような疾患をお持ちの患者さんがグルテンフリーの食事により減量に成功しているという報告が、一般の方にも普及するきっかけになったと思われます。

過剰なやり方には気をつけましょう

小麦には、グルテン以外に難消化性の炭水化物などの栄養分も含まれています。これは食後の血糖やインスリンの増加を抑え空腹時の血中の中性脂肪を減らして体重を減らすという報告もされています。そのため、厳格なグルテンフリーダイエットは逆に体に悪影響を及ぼす可能性があるという点に気をつける必要があります。

盲目的にグルテン摂取だけに気を配るのではなく、医師の診断や栄養士への相談も交えながら科学的に食事のメニューを考えることをお勧めします。

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