WRC第3戦ラリー・メキシコは2日目を終えて、シトロエンのクリス・ミークが総合首位に浮上。2番手にはMスポーツのセバスチャン・オジエ、3番手にはヒュンダイのティエリー・ヌービルがつけている。

2日目は、イベント最長の54.90kmというロングステージを含む7SSという構成。2箇所のグラベルロードに世界遺産都市グアナファトのストリートコースや、レオン近郊のミニサーキットでのスーパーSSと、バラエティに富んだものとなっている。

ところが、オープニングステージとなるはずだったSS2と続くSS3はキャンセルとなり、5SSで競技が行われることとなった。

2日目、本拠地レオンに戻ってからのオープニングステージとなるはずだった、54.90kmのSS2「El Chocolate 1」と、続く19.68kmのSS3「Las Minas 1」がキャンセルとなった。

これは、メキシコシティでの開幕ステージを終えた後、WRカーを搬送するトラックが渋滞に巻き込まれ、車両とチームサポートスタッフが、この日のレグスタートの90分前になってもレオンに到着できなかったため。道中、ラリーとは関係のない車両による事故が発生し、高速道路が6時間に渡って閉鎖されたそうです。

最初のステージは54.90kmのSS4、エル・ショコラテ。ここでベストタイムをたたき出したのがシトロエンのミーク。後方10番手からの出走順を活かして、SS2番手につけたオジエに7.3秒の差をつけて、総合順位でもトップに躍り出た。

3番手にはヒュンダイのヘイデン・パッドン。さらにダニ・ソルド、ヌービルとヒュンダイ勢が続き、トヨタのユホ・ハンニネンは1分11秒6差のSS6番手タイム。ラトバラはエンジンの不調にも見舞われ1分32秒6差のSS9番手タイム。

続けて行われたSS5は、ヒュンダイのヌービルがベストタイム。SS5を終えた段階での上位陣の総合順位は首位ミーク、2番手オジエ、3番手パッドン。

SS6は、世界遺産の都市グアナファトのストリートステージ。ここでのベストタイムもヌービル。総合3番手につけていたパッドンはエンジントラブルに見舞われ大きくタイムロスを喫し、総合7番手にドロップ。代わって総合3番手にはソルドが食い込み、ヌービルが総合4番手に。

この日のラスト2SSは、レオン近郊のミニサーキットが舞台。2台同時スタートのスーパーSSは、SS7をミーク、SS8をエバンスが制した。2.3kmと短いコースのため大きな差はつかないものと思われたが、総合3番手のソルドがエンジントラブルからリタイア。代わってヌービルが総合3番手に浮上するも、エンジンにトラブルを抱え、大きくタイムロスを喫している。

この日すべてのステージを終えて、総合首位はシトロエンのミーク、2番手Mスポーツのオジエ、3番手にヒュンダイのヌービル、そして4番手にトヨタのハンニネンと、各チームのマシンが並ぶ結果となった。

ラリー・メキシコに参戦するマシンの大半が、エンジンのオーバーヒートに悩まされた。

トヨタも今大会最長となる54.9kmのロングステージであるSS4で、ハンニネンとラトバラの操るヤリスWRCのエンジン温度が上昇。そのため両ドライバーは温度を下げるべく、エンジン出力を絞ったロードセクション・モードに切り替え、エンジンを冷却しながらの走行を余儀なくされた。このモードは通常、SS間やサービスパークへの移動など、リエゾン区間と呼ばれる競技エリア外で使用されるものである。エンジンに不安を抱えての走行となり、ラトバラ、ハンニネンともにタイムロスをすることになったが、2台のヤリスWRCは無事にSS4～8の計5つのSSを走りきった。ハンニネンは総合4番手から、ラトバラは総合8番手からの浮上を目指す。

競技3日目はSS9〜SS17の9SS。グラベルステージ3SSを2度走行したのち、ふたたび2台同時走行のスーパーSS、レオンの市街地ステージを走行する。SS合計距離は157.57kmと、勝負の山場になると見られる。

また、今年から出走順ルールが変更されリバースオーダーとなるため、総合8位のラトバラは4番手スタート。厳しい戦いを強いられそうだ。