強いチームに優秀なキャッチャーあり

この言葉は野球解説者のノムさんこと野村克也さんから引用したものです。
シーズン通してキャッチャーが固定しているチームが日本一となる傾向があるのは今に始まったことではなく、少なくとも私が物心ついた頃よりずっと前から続いている事実と思っています。
わかりやすいのが王、長嶋擁する読売ジャイアンツV9時代の正捕手でもあった、森昌彦(森紙昌)さんです。
1965年のV1から始まり1973年のV9に終わる全てのシーズンで正捕手を務めています。おそらく、安定した捕手がいる環境だからこそ、ディフェンス面からオフェンス面のリズムを作り上げる事ができる典型的なパターンだったのでしょう。
西武ライオンズの黄金期では、現・千葉ロッテマリーンズ監督の伊藤勤さんが君臨していました。
打撃成績と違って数字に表れにくいのがディフェンス面。花形とは言いがたいポジションですが、その役割はどのポジションよりも重要で、キャッチャーによって勝敗が分かれる試合もあるほど。唯一1人だけ反対方向を向いて守り、ポジショニングの指示や、ピッチャーの配球など、9人いる選手の中で一番野球に詳しく洞察力・観察力がないと守れないポジション。更に、肩も強くなければ盗塁もされるため、色々な条件をクリアして初めて守れるポジションということですね。
10年前以上前になりますが、野村克也さんが東京ヤクルトスワローズで指揮を振り日本一に輝き、しばらく黄金期を継続していた頃は、野村ID野球の立役者・古田敦也さんがマスクをかぶっており、とても異色な存在感を放っていたのは記憶に新しい事実です。強いチームに優秀なキャッチャーありということなんですね。
現代野球では、リリーフピッチャーがいるように、リリーフキャッチャーも存在している球団も多々あるほど、キャッチャーというポジションがとても重要視されている昨今です。

自分を犠牲に

一言で「センス」と片ずけられるほど単純なものではないのが野球の様々な動きの要素です。
バッティングセンス、守備面のセンス、走塁のセンスと大きく分ければ3つになりますが、いずれも紐解いていけば奥深くて、一言でセンスと片ずけられないという事です。
素人の方が打席に立ってフルスイング。打球はぐんぐん伸びてスタンドインなんて光景はよくあり得る事で、例えば砲丸投げの室伏選手が実際にそれをやってのけたのをニュースの映像で見た事はあります。「ホームランを打つ」というのは、ある程度のパワーとタイミングがあってしまえば、出会い頭と言いますか、打ててしまう事もあるんです。勿論、継続して打てる選手は、打球を遠くに飛ばす術とセンスの持ち主という事になりますが・・・。
それでは意外にも、あの舐められがちなあのプレーを出来る素人は、そうはいないのではないでしょうか?
それは「送りバント」です。90k/mの遅いバッティングセンターのボールでもいいです。コンっと出来ますか?右バッターなら右手をバットの中心部より少し上を握り、放たれたボールを打球を殺しながら転がす行為です。大概の人が、ボールが右手に当たることを臆して、空振り、もしくはファールチップになると思います。それを140k/m前後の速球、変化球を一塁側、三塁側に正確に打球を殺して転がすのは、相当な練習を必要とする技になります。そして、このバントこそ野球センスを問われる、何気に一番難しいプレーなのかもしれないと私の持論ですが思っています。特に、右バッターなら三塁側にできる選手はなかなかのセンスの持ち主と言えるでしょう。
一塁手、三塁手の猛烈なプレッシャーと、バントをさせない配球を要求するバッテリー、それを苦ともせずに、自分を犠牲にしてチームに貢献する行為が送りバント。プロ野球選手の大半が学生時代はホームランバッターとして活躍されていた方ばかりの中、533個のNPB犠打記録を持つ川相昌弘さんは凄い記録を作ったものだなと感心します。当然、その当時の読売ジャイアンツは強かったですね。
しっかりとチームの勝利のために自分を犠牲に、且つ、正確に後続にチャンスを受け渡す存在は、試合を有利に運ぶ上で必要不可欠な選手になりますね。

特徴のある選手

「バッティングは水物」とよく称されるように、好不調の波もあったり、良いピッチャーに出会えば、打球を前に飛ばす事も困難なように、凄いバッターでも予想がしにくいもの。ヒットやホームランを打つのは容易ではなく、どんなに高バッターでも打率.350が良いところ。わかりやすく言うと、4打数1安打、4打数2安打が良いところです。
特徴ある選手というのは、ノーヒットでもしっかりと得点につなげられる野球ができるチームの一員になれという事になります。
例えば、先頭バッターがフォアボールを選び1塁へ。選球眼が良い特徴の持った選手と言えます。次のバッターが送りバントでワンアウト2塁。ここで、バントが得意という特徴を持った選手と言えます。次のバッターの時に相手バッテリーのミスもあり、ランナーが三塁へ。ワンアウト三塁とチャンスを掴みます。バッターが外野フライを打ち、三塁ランナーがタッチアップで得点。ここで、しっかりと外野フライが打てる特徴を持った選手と言えます。これでノーヒットでも得点に結び付けられました。こんなにうまく事が進むわけないですが、場面場面でこのような特徴を持っていれば、例えば控え選手であれば、ここぞというときに監督からお呼びがかかり、代打で活躍出来るというケースにもなりますね。
勿論、どの能力も平均的に長けている事に越した事はありませんが、全ての能力を伸ばすといっても難しくセンスが絡んでくるので、自分に合う、他人より長けた能力を見つけて伸ばしてみてはいかがでしょう。

誰もがスタープレーヤーになる必要はなく、自分がどのような働きをすればチームが勝てるのか?という事を突き詰めている選手が多ければ多いチームほど、相手としては1番戦いにくいチームと言えますし、間違いなく強いチームと思います。

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