ボランチとアンカーの違い
ボランチとアンカーは、ポルトガル語か英語かの語源の違いで、基本的な役割やポジションの考えは同一です。どちらも中盤の舵取り役を指す役割を示す言葉ですが、日本サッカー界では、ボランチはポジションを指す言葉でアンカーは役割を指す言葉です。そのため、ボランチの中でもアンカーと他のタイプが存在します。
ボランチとは
ボランチとはポルトガル語で舵取り、ハンドルを意味します。
文字通りチームの舵取りとして中盤で試合を攻守にコントロールする役割です。ポジションは、セントラルミッドフィルダーに該当します。
守備的な中盤に与えられるすべての役割を指します。ボール奪取やポジションバランスの修正、攻撃の起点など様々なタイプのボランチの役割があります。
アンカーとは
アンカーとは、英語のanchorで錨を意味します。
船と海をつなぎ合わせる錨のように攻撃と守備の間でチームにバランスをもたらしチームを統率する役割です。
ポジションはセントラルミッドフィルダーに該当します。ポルトガル語と英語が語源という点がアンカーとボランチの違いで同じ意味です。
中盤の守備的な位置で、カバーリング・カウンター阻止・コーチング・ビルドアップを行い、チームを統率してバランスを取ります。
なぜボランチとアンカーがあるのか
日本でアンカーとボランチという本来同じ意味の言葉が、違う意味を持った理由は、日本のサッカー文化が未成熟だったからです。
日本サッカー界でボランチという言葉が使われだしたのは90年代です。
ポジションを表す言葉と役割を表す言葉は本来違うはずですが、混同して広まったしまったことで、ボランチという言葉がポジションと役割のどちらも表す言葉になりました。
そして、サッカー文化が成熟するとボランチに役割が複数存在することを言語化するためにアンカーという言葉が使われました。