造血のビタミン「葉酸」

水溶性ビタミンでビタミンB群に属する「葉酸」は、植物の葉に多く含まれ、黄色結晶で光や熱に不安定な物質です。ビタミンB12とともに赤血球を作るので「造血のビタミン」といわれています。代謝にも関与していて、DNAやRNAなどの核酸やたんぱく質の生合成を促進し、細胞の生産や再生を助けることから、体の発育にも重要なビタミンでもあります。

「葉酸」は細胞の分裂や成熟を大きく左右するため、特に胎児にとっては重要な栄養成分であるといえます。妊婦が葉酸を十分に摂取することで、胎児の先天異常である神経管閉鎖障害のリスクを減らすことができます。

最近の研究により、ビタミンB12や葉酸の摂取が、虚血性心疾患の予防に効果があるのではないかと期待されており、さらなる研究が進められているそうです。

不足するとどうなる?「葉酸」の一日の目安摂取量とは

「葉酸」の一日の摂取の推奨量を18歳以上の男女ともに240㎍とされています。妊娠を計画している、あるいは妊娠している女性は、胎児の神経管閉鎖障害のリスクを低減するために、さらに一日240㎍の追加摂取が推奨されているそうです。

「葉酸」が欠乏すると、ビタミンB12欠乏と同様に巨赤芽球性貧血を引き起こします。また、動脈硬化の引き金になる血清中のホモシステイン含量も高くなります。胎児の正常な生育にも不可欠なため、母体の葉酸が不足すると、胎児の神経管閉鎖障害や無脳症を引き起こします。

通常の食事では不足することはありませんが、成長期の子どもの場合は、成長のために葉酸が大量に消費されるので、葉酸不足による巨赤芽球性貧血(悪性貧血)が起こりやすくなると考えられています。

「葉酸」を多く含む食品

葉酸は緑の野菜に含まれていることが多いので、枝豆やほうれん草などを意識的に食べるようにするとよいでしょう。ほうれん草には葉酸のほか不足しがちな鉄分も多く、サラダ菜もレタスに比べて鉄が比較的多く含まれています。

他にも、大豆製品の納豆や海藻、果物にも含まれています。食事の中に野菜を1品、大豆製品を1日に1回、海藻も積極的に食べましょう。納豆には、葉酸のほかカルシウムも含まれているので、妊娠中の方であれば積極的に摂りましょう。

また、おやつには甘栗や果物といった葉酸が多く含まれる食品を適量とると、なおよいでしょう。甘栗や果物は食べやすく、たくさん食べるとカロリー過多にもつながるため、あくまでも適度が重要です。

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