七柱の福の神「七福神」が、現在のような形で人々に定着したのは江戸時代中頃。
浮世絵にも宝船に乗った七福神が描かれ、正月には初詣でを兼ねての七福神詣でが庶民の間で盛んに行われてきました。
そんな七福神を紹介していくシリーズです。
今回は福禄寿様です。

寿老人と同じ南極星の化身

身長の約半分を占める長い頭と長い白髭が特徴。
杖をつき、長寿の象徴である鶴や亀を従えた姿でも描かれる道教の三徳、福(子孫繁栄)、禄(財産)、寿(健康長寿)を備え、人の寿命を知るとされる。
ご利益は子孫繁栄、富貴繁栄、健康長寿。

鶴と亀を従えている。

福禄寿は杖を持って、鶴や亀を従えた姿に描かれることが多い。
この杖は、鉱脈や水源の場所を示して、人びとを豊かにするためのものであると説明されている。
鶴と亀は長寿を象徴する動物である。

道教では、福、禄、寿、つまり幸福と富貴と長寿が人間の三大願望とされていた。
そして、中国人は福禄寿は、福、禄、寿の三つすべてを人間に授ける神だと考えた。
もとは福人、禄人、寿人の三人の仙人が信仰されていたが、二人の仙人が合わさって福禄寿の神になったと説明されることもある。

日本でもこのような中国の信仰にならつて、福禄寿が人間のすべての願いを叶える福の神として祭られるようになったのである。
この福禄寿信仰は比較的早いうちから庶民に広がったとみられる。
縦に長い額を持つ個性的な福禄寿の顔が、庶民に面白がられたためであろう。

幸運もたらす南極星の化身

福禄寿と寿老人は、中国で祭られた道教の神である。
道教は御利益のあるさまざまなものを神として祭ったが、福禄寿も寿老人も長寿を授ける神とされた。

南極星、もしくは老人星と呼ばれる星の信仰が、別々に発展して福禄寿と寿老人の神をつくり出した。
南極星の神が福禄寿や寿老人の形をとるようになるのは、中国の南宋代(1127―1279)、日本の平安時代末に相当する時期であると考えられる。

南極星は人間の寿命をつかさどり、富や好運を授けてくれる星といわれた。

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