みなさんはヒョウという動物をご存知でしょうか？
トラ、ジャガーなどにも似ているヒョウ。
ヒョウの生態とはどのようなものなのでしょうか？
今回はそんなヒョウについて少しですが紹介したいと思います。

ヒョウはアジアからアラビア半島、アフリカまで幅広く分布していて、地域によって幾つかの亜種が知られています。

森林や雑木林、サバンナにある藪や深い草むらのある岩場など、様々な環境に生息しているが、環境への適応力にも優れていて、寒帯のシベリア地方から東南アジアのジャングル、アラビア地方の乾燥地帯やアフリカの熱帯林やサバンナまで、幅広く生息しています。
また、低地の湿地帯から、アフリカでは標高5,600mほどのキリマンジャロの山麓、アジアでは標高5200m程のヒマラヤ山系にも姿を現し、ヒョウは垂直方向の生息域もかなり広いです。

体つきはがっしりとしているがしなやかな感じがし、毛は密生していて短く、細くて密な下毛と粗い上毛で覆われています。
毛色は淡い黄色や褐色、黄白色などで、背部と体側には特徴的な梅花状の黒い斑紋があります。
腹部や尾の下面は白っぽいが、黒い斑紋は見られ、尾はかなり長く、やはり黒い斑が見られます。

この体色や斑紋は保護色の役目を果たしているが、寒い地方に分布しているものは毛が長くて下毛が密で、暑い地方のものは毛が短くて粗くなっています。
耳は丸くて、裏側にはトラのように黒い斑があるほか、前肢に5本、後肢に４本の指をもっていて、いずれの指にも自由に引っ込めることができる鉤爪をもっています。
また、足裏の肉球は柔らかく、足音を立てずに歩くことができます。

一見すると、ヒョウはメキシコから南アメリカなどに分布しているジャガーによく似ているが、ジャガーほど体はがっしりと していないです。
また、ヒョウの梅花状の斑紋の中央には、ジャガーに見られるような小さな斑は見られません。

ヒョウは昼間も行動するが、日中の暑い時間は樹上や藪の中、岩の間などで休んでいて、主に夕方や夜間に活動することが多いです。
普段は単独で生活していて、獲物も単独で捕らえるが、時には数頭が集まって獲物をとることもあります。

同じネコ科のトラやライオンに比べて吼え声などはあまり立てず、獲物を狙うときも、静かに忍び寄って突然襲いかかったり、木の上などで待ち伏せをして、飛び降りて相手を倒したりします。

主に中型のレイヨウやシカ、イノシシやカワイノシシなどを捕らえるほか、ハイラックスなどの小動物や鳥、爬虫類や節足動物、魚なども捕らえます。
また、ヒョウはほっそりとした体つきをしているが力が強く、体重900kg程のエランドの成獣をも倒すことが知られていて、ヒョウは自分の体重の10倍程の獲物を倒すことができると言われています。

ヒョウは木登りや泳ぎもうまく、運動能力にすぐれ、非常に敏捷な動きをすることができます。
獲物を狙うときの速さは60km/h程に達するほか、跳躍力にも優れていて、6m程の幅を跳ぶことができ、2.5m程の高さなら跳び越えてしまうと言われています。
また、顎の力も強く、80kg程もある、自分の体重よりも重いシカなども、くわえたままで木の上に上がることができます。

行動範囲は、平均すると雄で30～80k㎡、雌では15k㎡程度と言われているが、行動範囲は生息環境や季節、食糧事情などによって大きく変化します。
常に行動範囲の全てを利用するわけではないが、ロシア極東部では、雌の行動範囲が62k㎡、雄では280k㎡を超えると言われています。
また、獲物の極端に少ない半砂漠地域のようなところでも、雌の行動範囲が130～480k㎡、雄では800k㎡近くになると考えられています。

しかし、いずれも行動範囲は雄の方が雌よりも広く、普通は雄の行動範囲の中に複数の雌の行動範囲が含まれているほか、ヒョウには大きな肛門腺があり、排泄の時に匂いを付けることで、なわばりが主張されます。

アフリカやインドなどに分布しているものには決まった繁殖期が見られないが、多くは雨季の頃に見られ、中国東北部やシベリアなどのものでは1～2月頃に見られます。
また、一夫一婦や一夫多妻など、ヒョウには雌雄共に決まった繁殖形態は見られないです。

いかがでしたでしょうか？
同じネコ科の動物でも生態が色々違いますよね。
今回を機にヒョウについて興味を持ってみてはいかがでしょうか？