日本では一般的に硬度100以下の水を軟水、それ以上を硬水と分類しています。硬度の計算方法にはアメリカ硬度、ドイツ硬度、フランス硬度、イギリス硬度などがありますが、日本では「アメリカ硬度」を採用しています。これは水1リットル中に含まれるカルシウムとマグネシウムの量を基準に、硬度を算出する方法です。硬度は水の味を変えるそうです。硬水はほのかに苦味を感じます。軟水はなめらかで口あたりのいい、言い方を変えれば、何の味もない水です。日本には軟水が多いため、軟水が日本人には慣れた味と言われています。軟水が多い理由は日本の地形にあります。 日本の地層はミネラルの少ない火成岩が中心です。また、険しい山脈が多く川の傾斜も急勾配で、源流から海までの距離が外国に比べて短くなっています。そのため、雨水が地面に浸透する間にあまりミネラルを吸収することが少なく、川や海に流れ出ていきます。

軟水の特徴

① 赤ちゃんや子どもが飲んでも安心
軟水は内臓への負担が少ないことも特徴で、赤ちゃんや子どもにミネラルウォーターを与える場合は軟水を選ぶのがいいそうです。特に外国製のミネラルウォーターは硬度の高いものが多いため、必ず確認する必要があります。市販のミルクは水道水(軟水)で作ることを前提に成分が調整されている製品もあります。

② 肌に優しい
乾燥肌や肌トラブルの悩みには軟水を使用した洗顔や洗髪がおすすめです。例えば、海水浴のあとに髪がバサバサになってしまうのは、海水に含まれるミネラルが影響しています。また、ミネラルは肌への刺激となり、肌荒れを招くこともあります。 シャンプーやスキンケアには、肌へ浸透しやすく刺激の少ない軟水を選びましょう。

③ 洗剤の泡立ちがいい
軟水は洗剤の泡立ちも良いため、洗濯に適しています。硬水に含まれるミネラルは、せっけんの成分と結合して洗浄力のない「せっけんカス」を作り出す性質があり、洗剤の洗浄力を妨げるだけでなく、衣服を汚してしまうこともあります。そのため、ドイツなど生活用水に硬水を用いる地域では、薬剤で水を軟水化して洗濯を行う家庭もあるそうです。

硬水の特徴

① ミネラルが豊富
カルシウムやマグネシウムが豊富な硬水はミネラルの補給に適しています。ミネラルが不足しがちな日本人にとって、手軽にミネラルを補給できる方法ともいえます。ただし、硬水は口当たりが軟水のようなまろやかではなく、慣れないうちはほのかな苦味や独特の風味を感じる場合もあるそうです。

② 胃腸に負担をかけることがある
硬水に含まれるマグネシウムは市販の下剤にも使用されている成分です。そのため、過度の飲用は胃腸に負担をかけてしまいます。特に日本人は日頃から軟水に親しんでいるため、いきなり硬度の高いミネラルウォーターを飲むとお腹を下す可能性があります。

軟水と硬水を使い分けましょう

冒頭で硬水は苦味を含むといいましたが、その理由でコーヒー、紅茶の風味、うま味にも影響を与えます。素材本来の味と香りを引き出すには軟水が良いとされています。また硬水で紅茶を入れると、紅茶の色が濃くなり、苦味も増します。ウイスキーには硬水、軟水両方とも使われます。硬水のミネラル成分が味に深みや複雑な風味を与えるとされます。逆に、軟水を使えば、そのウイスキーは口当たりがなめらかで、軽快な風味となるそうです。
ウイスキーに限らず、アルコール醸造においては、硬水だとミネラルが栄養分となって微生物の発酵が活発になり発酵が進んで辛口となるそうです。
硬水を使うと美味しくなる料理でいうと、パエリアやチャーハンも挙げられます。硬水に含まれるカルシウムは食物繊維を硬くする効果があるため、粘り気のないパラッとした仕上がりになります。普段は水道水(軟水)で炊いているお米を、硬度の高いミネラルウォーターで炊くのがおすすめです。
さらに、パスタをゆでる水は硬水がおすすめです。硬水を使うと、水に含まれるミネラルがパスタのデンプンと結合して硬くなり、麺にコシが出ます。一般にパスタをゆでるときはお湯に少量の塩を入れますが、これも塩のミネラルとパスタのデンプンを結合させ、コシを出すための工夫の一つです。また、パスタの本場・イタリアでもパスタは硬水で調理されているそうです。

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