「ペットボトル症候群」とは

「ペットボトル症候群」は俗称で、正式名称はソフトドリンクケトーシスと呼ばれています。糖を多く含む清涼飲料水やソフトドリンクを大量に飲むことで高血糖になり、そのために喉が渇いてまた清涼飲料水を飲むという行為を繰り返し、著しい高血糖となってケトーシスに至るというものです。

肥満傾向があり糖尿病の診断をまだ受けておらず、喉が渇くという症状が高血糖からくるものであることを知らない患者が陥りやすいそうです。全身の倦怠感や眠気、多尿、のどの渇きといった自覚症状が現れて医療機関を受診し、はじめて糖尿病だとわかるケースもある恐ろしい症状です。

喉が渇いたときに清涼飲料水を飲みすぎると、、、

清涼飲料水に含まれている炭水化物の多くは糖類で、体内への吸収が早い果糖などの単糖類がほとんど、市販されている清涼飲料水の多くには、1ボトル当り15グラムから30グラムの糖分が含まれています。糖質の過剰摂取が習慣となった人が高血糖の状態になると、のどが渇くためより多くの水分を摂取しようとしますが、糖質が含まれない水やお茶ではなく清涼飲料水を飲んだ場合、さらに多尿となり、のどが渇くという悪循環に陥ってしまうんです。

結果、インスリン作用が不足し、からだがブドウ糖を利用できない状態になると、代わりに脂肪や蛋白質がエネルギー源として使われます。その際、ケトン体と呼ばれる毒性をもった代謝成分が血液中に発生し、体内にケトン体が蓄積すると、全身の倦怠感のほか、腸痛や嘔吐、場合によっては意識障害から昏睡に至ることがあり、早急な治療が必要となります。

また、高血糖による多尿により脱水をきたすと、さらに高血糖になる。血液の浸透圧が上昇すると、からだの細胞の機能に異常が現れ、脳は高浸透圧の異常による影響を受けやすくなってしまいます。ひどい場合には意識がなくなるので、やはり早急な治療が必要と言えるでしょう。

子供や若い方も生活習慣病に繋がりやすいので要注意!

糖尿病患者や高血糖を指摘された人は特に、水分の取り方についての注意が必要です。健康志向の高い人が増えた影響で、最近ではカロリーオフやカロリーゼロなどと表記した商品が増えていますが、こうした商品の多くは糖質の量を少なくしたり、体内で吸収しにくくエネルギーになりにくい甘味料を使っていて、エネルギーがないということではありません。「カロリーオフ」は100ミリリットル当りのエネルギーが20kcal以下の場合に、「カロリーゼロ」は5kcal未満の場合に表示できます。

子供や10代から20代の若い世代も、糖質の多く含まれる清涼飲料水を大量に摂取すると、肥満や2型糖尿病などの生活習慣病につながりやすくなります。糖質が入っていなくても、脂質などが含まれれている場合もあり、エネルギーが高い成分が入っていれば、糖尿病患者にとっては血糖値を上げるきっかけになってしまいますので注意しましょう。

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