肩の痛みの原因は、、、

人間の関節のなかで、もっとも大きく動くのが「肩」の関節で、ほぼ全方向に動くようにできています。このような動きを支えるため、肩には3つの関節と、腱板(小さな筋肉群と腱の集合)、滑液包(動きをスムーズにする液の袋)、靭帯、筋肉が複雑に組み合わさっています。

ところが中高年になるにつれ、「肩」を構成するいずれの部分も、強度が少しずつ低下していきます。それに加えて、肩をあまり動かさない生活をしていると、柔軟性がなくなり、血行も悪くなり、傷つきやすくなります。結果、ちょっとしたことで肩関節周辺のどこかに損傷が生じ、炎症によって痛みを感じるようになります。それが中高年の肩の痛みの代表ともいえる、四十肩や五十肩と言われるものです。

ただ、肩の痛みだけで四十肩・五十肩というわけでもないそうです。肩の痛みの原因となる病気や障害は、ほかにもたくさんあり、たとえば、腱板に石灰分がたまるもの、スポーツの負担によるもの、あるいは頸椎の変性や、狭心症・心筋梗塞の前兆という例もあります。こうした病気などは、いずれも放置していると治りにくくなったり、重大な発作につながりかねません。肩の痛みを軽く考えず、その原因と解消法について知っておきましょう。

四十肩・五十肩

四十肩や五十肩は、あるとき急に起こるそうです。腕を上げようとすると、肩関節のあたりに痛みと違和感をおぼえ、上がらなくなります。上方向だけでなく、前に手を伸ばしたり、洋服の袖に手を通そうとしたときなどにも、痛みが起こって上がらなくなります。そのため肩をかばって日常の動作が不自然になり、肩や首周辺のこりや筋違いを誘発したり、睡眠中にも痛みで目をさまし、睡眠不足になるなど、日常生活にもさまざまな支障が出てきます。

ごく初期の四十肩・五十肩なら、温水シャワーを肩にあてるとスッと腕が上がることもあり、また、もう片方の手でサポートしてやると、あまり痛みを感じずに腕が上がるそうです。こうした軽症段階の四十肩・五十肩は、意識的に腕を動かすことで改善することができます。

ただし、ちょっと腕を動かすだけでも肩が痛む場合は、肩を動かさないようにし、早めに受診しましょう。症状が似ていても、ほかの病気の可能性もあるので、原因を特定し、適切な治療を受けることが大切です。

スポーツによる肩の痛み

スポーツが原因となる肩痛を起こす例も増えています。中高年の場合には回復に時間がかかったり、慢性化しやすいといった傾向があるので注意が必要です。スポーツによる肩の痛みには大別すると、肩(腕)を大きく動かすことによるもの(野球、テニス、水泳、ゴルフなど)、打撲などの衝撃によるもの(サッカー、バスケットボール、野球など)があります。損傷を受ける箇所などによって、さまざまな障害がみられます。

スポーツによる肩の痛みは、腱板断裂や骨折など重症化していることもあります。自己判断せず、冷湿布などで痛みが引かない場合には早めに受診しましょう。

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