カフェインといえばコーヒーですが、カフェインは眠くならない働きを持つ物質です。だれもが知っていることですが、意外なものにも含まれていて、注意しなければならないリスクもあるのです。

カフェインってどういう物質?

カフェインは、植物に含まれるアルカロイドという化合物の一種で、コーヒー豆、茶葉、カカオ豆、ガラナなどに天然に含まれています。国や食生活によって、カフェインの摂取量には差がありますが、おおむね、コーヒーと茶から摂ることが多いようです。カフェインは、人に対して強い生理作用を持ち、中枢神経興奮作用、強心作用、利尿作用、平滑筋弛緩作用などの働きをします。

カフェインは、アデノシン受容体に拮抗することによって覚醒作用を示します。また、メチルキサンチン誘導体に共通の活性として、ホスホジエステラーゼの非選択的な阻害作用があり、細胞内cAMP濃度の上昇を引き起こします。これにより、心筋収縮力の増大、気管支平滑筋の弛緩、脳細動脈の収縮のような交感神経興奮様作用を示します。これらの作用の結果、腎血管拡張により糸球体濾過量が増えて、さらに尿細管での水分の再吸収の抑制により利尿作用が現れます。

また膀胱括約筋に取り付いてその作用を抑制しているアデノシンの働きをカフェインが妨害するために頻尿になるともいわれています。cAMPの濃度の増大は胃酸を産生する細胞では、プロトンポンプを活性化し、胃酸分泌を高めます。洋食のレストランで出てくる食後のコーヒーは消化を助ける役割もあります。

カフェインが含まれているものは?

カフェインが含まれている飲み物の代表は、コーヒー、紅茶、緑茶などです。コーヒー豆や茶葉から抽出されたカフェイン(抽出物)は、コーラなどの清涼飲料水や栄養ドリンク(エナジードリンク)などに、苦味料の用途で食品添加物として使用されています。カカオ豆が原料となっているココアやチョコレートにも、少量含まれています。食品ではありませんが、カフェインの持つ作用から、医薬品としても使用されています。身近な市販薬である総合感冒薬や解熱鎮痛剤にも、カフェインが含まれています。

カフェインの効果と摂りすぎた場合の悪影響・リスク

カフェインは適切な量を摂取するようにしていれば、眠気の抑制、頭痛の緩和、疲労の回復などのメリットがあります。一方、摂り過ぎると、睡眠障害や不安などの中枢神経関連の問題が起こります。めまいや心拍数の増加、興奮、不安、ふるえ、不眠などがあげられます。消化管系の興奮状態として、下痢や吐き気をもたらすこともあります。眠気を抑制するというカフェインの効果は、摂取後15~30分で始まり、健康な成人の場合、カフェインが半減するまでに約4時間(個人差により2~8時間)かかります。この効果を睡眠への悪影響としないために、コーヒーなどを飲むのは就寝約4時間前までにした方がよいでしょう。

カフェインは一時的に頭痛を止める働きがある一方で、常用するとかえって頭痛が起こりやすくなります。これは、カフェインの脳血管収縮作用により頭痛が軽減されるためです。しかし、時間の経過とともに血管収縮作用が消えると、反動による血管拡張により頭痛が生じることがあります。また、副腎疲労症候群にともなう慢性疲労の方でコーヒーを毎日何杯も飲む方は、副腎疲労が悪化する原因になるので、改善するまではカフェインは控えた方がいいでしょう。

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