ニオイに悩む。そんな日本人が増えている
これも時代の変化でしょうか。
昔の日本人は、体臭をそれほど気にしませんでした。ところがいまは、自分の体臭で悩む人が増えているといいます。それを象徴するのが、デオドラント商品の好調な売れゆきです。日本人はいつの間にニオイを嫌うようになったのでしょうか。
ニオイのない時代
ヨーロッパの人の体臭はきついといわれています。これは伝統的な肉食中心の食生活によるところが大きく、ヨーロッパで香水が発達したのも強い体臭を消すためなのだそう。
それに対して、日本人は比較的体臭の少ない民族です。お香以外に、ニオイへの関心も薄かったようです。それが今ではニオイに敏感な民族になっています。
ニオイを嫌悪する傾向が強まってきたのは、日本の社会から徐々に「生活臭」がなくなってきたことの反映ともいわれます。汲み取り便所の刺激臭は水洗トイレの普及によってなくなり、焼肉店のおいしそうなニオイは無煙ロースターの導入で消え…という具合です。
今の若い世代の人々は、生活臭が街に満ちていた時代を知りません。となれば、生活臭や体臭を嫌悪するのも当然かもしれません。
周りの人も悩んでいるのかも…
体臭に関する悩みは、その人自身にとってはとても深刻です。ひどい場合は対人恐怖症にまで陥りますし、登校拒否をおこす子供も増えているようです。 例えばあなたに思春期の子供がいる場合、次のような行動が目についたら、それは体臭で悩んでいるというサインかもしれません。
●入浴時間が急に長くなったり、1日に何度もシャワーを浴びる
●デオドラントグッズを急に買い揃える
●汗をかくのが恐いため、好きだったスポーツや運動を急にやめてしまう
気にしすぎるのもひとつの病気
とはいえ、気にしすぎるのも問題です。実際は臭わないのに体臭がきついと思いこんでしまいます。これがひどくなると、自臭症(自己臭症)という立派な病気になります。実際は違うのに「私が近くにいくとみんな不快そうな顔をする」「私と話をする時にあの人がたばこを吸うのは私の口臭のせいだ」などと思いこんでしまうのです。
だれにでも体臭はあります。自分で臭いと思っても、周りからすれば気がつかないほどのものかもしれません。そして人間は気にしすぎるとよけいに汗をかき、逆効果となってしまいます。
まずは清潔第一。そして気にしすぎないことです。どうしても気になるときは皮膚科で一度相談してみるとよいでしょう。
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