ブルーライトとは

ブルーライトとは、波長が380~500nm(ナノメートル)の青色光のこと。
ヒトの目で見ることのできる光=可視光線の中でも、もっとも波長が短く、強いエネルギーを持っており、角膜や水晶体で吸収されずに網膜まで到達します。パソコンやスマートフォンなどのLEDディスプレイやLED照明には、このブルーライトが多く含まれています。
一般に私たちが「光」と呼んでいるものは、電磁波のうち、ヒトの目で見ることのできる可視光線のことです。可視光線の波長は、およそ400~800nm(ナノメートル)で、ブルーライトは380~500nm。400nmより短くなると紫外線、700nmより波長が長くなると赤外線と呼ばれます。
私たちの目の角膜や水晶体は、およそ350nm~800nmの波長を透過させますが、それより外側の電磁波(光)は透過できません。つまり、網膜に到達する光の中で、紫外線にもっとも近い強いエネルギーを持つ光が、ブルーライトというわけです。
このデジタルディスプレイから発せられるブルーライトは、眼や身体に大きな負担をかけると言われており、厚生労働省のガイドラインでも「1時間のVDT(デジタルディスプレイ機器)作業を行った際には、15分程度の休憩を取る」ことが推奨されています。
約20年前と比較し、省エネ化でLEDが普及したことにより日常生活におけるブルーライトの暴露量が増えていることにより、現代人の目の負担が大きくなっているのです。

ブルーライトが目に与える影響

①網膜に影響
目をカメラにたとえるなら、角膜はフィルター、水晶体はレンズ、網膜はフィルムのようなもの。私たちは、外界で散乱している光をフィルターやレンズで屈折させ、網膜に集めることで初めて「モノを見る」ことができます。ところが、紫外線やブルーライトのような強い光は、角膜や水晶体で吸収されず、ストレートに網膜に達してしまいます。
たとえば、「太陽の光を直接見てはいけない」と言われるのは、強烈な光によって網膜がダメージを受けてしまうから。また、たとえわずかでも、紫外線やブルーライトを浴び続けると、網膜の中心部にある「黄斑」がダメージを受け、加齢とともに増える眼病「加齢黄斑変性」の原因になる場合があります。
加齢黄斑変性は、アメリカでは65歳以上の失明原因の第1位。日本でも近年急速に増加しつつあり、パソコンなどのLEDディスプレイによって暴露するブルーライト増加の影響が指摘されています。

②角膜に影響
ヒトの目の網膜には、光の明暗を感じる「錐体」、光の色を感じる「桿体」の2種類の視細胞があり、そのおかげで光をキャッチし、「モノを見る」ことができます。ところが、最近になってブルーライトに強い反応を示す「第3の視細胞」の存在が明らかになってきました。
「第3の視細胞」は、メラノプシン含有網膜神経節細胞(ガングリオンフォトリセプター)と呼ばれる神経細胞の一種で、ここで得た光の刺激は脳の視覚中枢を経由せず、直接視床下部に届いて1日24時間のサーカディアンリズム(概日リズム)に大きな影響を与えます。つまり、「モノを見る」ことはできませんが、ブルーライトを感知することで生体リズムや生理的調整機能、病気や痛みの発生にも影響を与えるのです。
たとえば、VDT作業などで長時間ブルーライトを浴びると、「第3の視細胞」を介して顔面神経(三叉神経)が刺激され、痛みが引き起こされる場合があることもわかってきました。
また、体温や血圧が夜に下がりやすく、朝から日中にかけて上昇していくように、病気や痛みにも「発生しやすい時間帯」があります。「痛み」のリズムは夜間に活発になるメラトニンと密接なかかわりがあるため、眼精疲労や目・肩・首などの「痛み」が夕方から夜にかけて発生しやすく、悪化しやすくなります。夜間はブルーライトの刺激をできるだけ少なくし、脳と身体を休めることが大切と言えるでしょう。

ブルーライトは目を酷使する存在

このようにブルーライトいかに目を酷使する存在かがわかったかと思います。
ブルーライトは目は波長が短いため散乱しやすい性質を持っています。これが眩しさやチラつきなどの原因になり、その分、脳はピント合わせに苦労します。また、ブルーライトは他の光よりもエネルギーが強いため、瞳孔を縮めようとして目の筋肉も酷使され、眼の疲れや肩・首の凝りなどに影響します。
スマホやパソコンは現代人とって切っても切れない存在なので断ち切るのは難しいですが、やりすぎないように気をつけておきましょう!

関連するまとめ

関連するキーワード