敬遠が申告制に?

大リーグが「敬遠」に関するルール変更を選手会に通告したと報じられた。今後、「敬遠四球」については、意思表示すればボールを4球投げなくても打者を一塁へ歩かせられるようになるらしい。

選手会の同意が得られれば、野球規則が改定され、早ければ今季から導入されるという話もある。そして、大リーグで変更された場合は、日本でも来季以降に導入される可能性があるという。

敬遠申告により、野球はどう変わる?

この変更は試合時間を短縮するためのもので、新ルールでは1度の敬遠で約1分短縮できるという。また、同時にストライクゾーンが、現行ルールでは「膝頭(ひざがしら)の下部」とされている下限を、「膝頭の上部」に変更するとされている。これにより、低めのストライクゾーンが2インチ(約5センチ)高くなるため、打者に有利となる。大リーグの選手会がこれに同意するか注目されている。

敬遠を巡っては、敬遠のボールをサヨナラ安打したり、ランニング本塁打を放ったりしたケースなどがある。投手が暴投する場合も十分あり、その面白みがなくなると懸念の声も出ているが、日本野球機構(NPB)は試合時間短縮に取り組んでおり、大リーグでこのルール変更が決まれば、日本のプロ野球でも導入される可能性は考えられる。

敬遠から生まれたドラマ

敬遠から投手の暴投などはよくあるケースですが、敬遠ボールをホームランやサヨナラヒットに繋げたバッターもいます。1962年には長嶋茂雄選手が逆転タイムリー、1981年には柏原純一選手がホームラン、1990年にはクロマティ選手がサヨナラヒットなどがありますが、自分的には1999年の新庄剛志選手のサヨナラヒットを思い浮かべます。

新庄剛志 敬遠球をサヨナラヒット! - YouTube

出典:YouTube

1999年6月12日、甲子園での阪神-巨人戦。同点の延長12回1死一、三塁。バッターボックスに新庄。この日の新庄は8回の起死回生の同点9号ソロを含め、既に3安打を放ち、今季6度目の猛打賞を決めていた。これに対し、巨人ベンチは勝負に出ず、キャッチャーは当然のように立ち上がった。

1球目、敬遠にしてはピッチャー槙原のボールが低かった。ここで新庄は一塁側ベンチの柏原打撃コーチと目で合図し、同コーチは「打て」と訴えていた。直後の2球目。敬遠にしては高さ、コースともに外し切っていない甘い球が外角にきた。新庄が大根切りのようにバットを振るうと、打球は前進守備の遊撃・二岡の左を転がり、左前へ抜けた。これにより阪神が5-4でサヨナラ勝利!4時間41分の死闘に決着がついた。

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