コパ・スダメリカーナ王者にシャペコエンセ

CONMEBOL(南米サッカー連盟)が、先の旅客機墜落事故によって多数の主力選手を失ったブラジル南部のシャペコエンセを、2016年のコパ・スダメリカーナ王者とすることを決定したと、アルゼンチンのポータルサイト『Cronica』が4日に伝えた。

コロンビアでの旅客機墜落事故によって多くの主力選手を亡くしてしまったシャペコエンセ。事故発生から5日後の12月3日には、ホームスタジアムのアレーナ・コンダーで追悼式がしめやかに執り行われた。

凄惨な事故を受けて、決勝での対戦相手であったコロンビアのアトレティコ・ナシオナルは、2016年大会の決勝戦を辞退してシャペコエンセにタイトルを譲るよう、早くからCONMEBOLに申請していた。今回の決定は、前述の申請も少なからず影響したとみられる。

事故にあったシャペコエンセに支援の輪が広がる

今回の事故により、普段はライバルとしてしのぎを削るクラブも、シャペコエンセの支援に乗り出した。ブラジル紙などの報道によると、主力選手を一気に失ったシャペコエンセに対し、コリンチャンスやフルミネンセ、サントスなど10チーム以上が所属選手を期限付きで移籍させる意向を示している。さらにブラジルサッカー連盟に対し、今後3年間はシャペコエンセの成績が悪くても2部に降格させないよう要請があるという。

また、元ブラジル代表のロナウジーニョや元アルゼンチン代表のリケルメらがシャペコエンセでのプレーを申し出ているという話もあるが、スダメリカーナの王者となったシャペコエンセには、2017年のコパ・リベルタドーレスとレコパ・スダメリカーナの出場権が与えられるほか、同年のコパ・スダメリカーナにはディフェンディングチャンピオンとして決勝ラウンドからの出場権も与えられる。さらに、コパ・スルガ・バンク(スルガ銀行チャンピオンシップ)への出場権を得たことで、ルヴァンカップ王者の浦和レッズと埼玉県で対戦することにもなりそうだ。

サッカーチームが巻き込まれた飛行機事故は過去にもある。イタリア代表10人を要してセリエAを4連覇中だったトリノの「スペルガの悲劇」やイングランドの名門マンチェスターUの選手らが巻き込まれた「ミュンヘンの悲劇」などがある。事故の悲劇を忘れることはできませんが、残ったシャペコエンセの選手が立ち上がってくれることを願います。

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