大舞台の鹿島アントラーズは強かった。最多17冠を誇るJリーグの名門チームは、年間順位3位から逆転優勝でチャンピオンシップを制した。

2016年のJリーグチャンピオンシップ、ホームでの第1戦はPKによる痛い失点により0-1と敗戦した。つづく第2戦も序盤早々に元鹿島のFW興梠に先制ゴールを許したが、それでも鹿島イレブンは自分たちの戦い方を見失わなかった。

前半のうちに、エース・金崎夢生が同点ゴールを決めると、ペースは徐々に鹿島へ。そして後半79分に金崎がPKを決めて逆転する。これに対し、浦和レッズはこれまでの攻撃を組み立てるパスサッカーを、なりふり構わぬパワープレーにシフトチェンジする。しかし、鹿島はこれを元ともせず、ことごとく跳ね返した。

試合は鹿島がアウェーゴール数で逆転優勝し、7年ぶり8度目となるリーグ制覇を果たす。年間1位の浦和に勝点15もの大差をつけられた鹿島の下克上となったが、準決勝・川崎フロンターレ戦を含め、『明治安田生命2016Ｊリーグチャンピオンシップ』3試合で見せた鹿島のパフォーマンスは堂々としたものだった。主導権を握られようが、相手の猛攻にさらされようが、落ち着きを失わない。勝負どころを逃さず、決めるべきところで決め切る。鹿島には大舞台で真価を発揮する勝負強さが脈々と受け継がれている。

Ｊリーグを制した鹿島の次なる戦いが『FIFA クラブワールドカップ ジャパン 2016』である。まず12月8日(木)に、開催国王者として開幕戦でオセアニア王者オークランド・シティーFC(ニュージーランド)と横浜国際総合競技場にて対峙する。

開幕戦を制すれば、12月11日(日)市立吹田サッカースタジアムでのアフリカ王者マメロディ・サンダウンズ(南アフリカ)との準々決勝に駒を進める。準々決勝も突破すれば、12月14日(水)吹田スタジアムには南米王者アトレティコ・ナシオナル(コロンビア)が待っている。そして、鹿島が16日間で5試合を戦う過密日程を突破すれば、おそらく反対側の山を勝ち抜いてくるのは欧州王者レアル・マドリード(スペイン)になるだろう。スペインの名門ビッグクラブとの対戦は、鹿島サポーターのみならず多くの日本人が見たいカードになるが、石井正忠監督は「先を見ずに一戦一戦自分たちの戦い方をし、対戦相手を分析してその対応もしていきたい」と鹿島らしい意気込みを語った。