好調広島カープの投手陣

昨シーズン、15勝8敗、沢村賞も受賞した球界のエース、前田健太選手がオフにメジャーリーグのロサンゼルスドジャースに移籍。絶対的エースの穴をどう埋めるかが、今シーズン課題でしたが、今シーズンの広島カープ投手陣は前田選手の穴を埋めるどころか、それ以上の活躍を見せてくれています。その背景に何があるのか、追求していきたいと思います。

野村祐輔選手の復活

2012年のルーキーイヤーは、9勝11敗で、新人王獲得。翌シーズンは12勝6敗と、将来のエース候補として期待されていましたが、その後、不調が続き、2軍を行ったり来たりしていました。
しかし、今シーズン、7月4日現在で、ルーキーイヤーの勝利数に並ぶ9勝2敗の大活躍。勝利数のハーラーダービー単独トップに君臨しています。
7月4日現在で、防御率はリーグ3位の2.42。1試合で3点取られていない計算になります。そして、筆者が注目したいのが、フォアボールの少なさである。7月4日現在でフォアボール20。試合数13試合、投球回数81回2/3ですので、4イニングに1回しかフォアボールを出していない計算になります。プロ入団前からコントロールに定評があった野村選手ですが、今シーズン、さらにそのコントロールを磨き、開花。投手にとって、ヒットを打たれるより、フォアボールを出すことの方が苦痛で、そのフォアボールを出さないことが好調の要因なのかもしれません。
また、同僚のジョンソン選手からカーブを取得。そして、大先輩の黒田選手からアドバイスを受けているようで、それも好調につながっているのだと思います。
また、野村選手は、一番大きく変わったことは「メンタル面」と話してます。

安定した先発投手陣

上記で述べた野村選手の他にも好調をキープしている投手がいます。
まず1人目はジョンソン選手。昨シーズンから広島カープに加入し、14勝7敗、防御率1.85で最優秀防御率のタイトルを獲得。7月4日現在で、8勝5敗、防御率2.18とリーグ2位の防御率で、チームを牽引してくれています。また、6月4日には、球団の外国人歴代最高年俸(推定300万ドル)に出来高を加えた3年契約を結び、球団からの信頼も非常に高い選手です。
そして忘れてはいけないのが、黒田博樹選手です。昨シーズンからメジャーリーグから復帰し、11勝8敗。今シーズンは7月4日現在で、6勝3敗、防御率2.71と、ベテランにふさわしい投球を見せてくれています。また、あと1勝で、日米通算200勝。今週中には達成できる位置まで来ています。黒田選手は、選手からの信頼も厚く、チームのまとめ役、相談役としても活躍しており、若手のいいお手本となっています。
この投手陣3本柱と、若手の中村選手、戸田選手、岡田選手、久里選手と、層の厚い先発投手陣が現在の広島カープを支えています。
ここに調整中の福井選手、大瀬良選手が復帰すれば、さらに強力になること間違いなしです。

勝利の方程式

今シーズンから加入した外国人助っ人、ヘーゲンズ選手とジャクソン選手。この2人が広島カープの中継ぎ投手陣を支えてくれています。
まず、ヘーゲンズ選手。主に7回を任され、7月4日現在で、32試合に登板し、4勝1敗、15ホールド。防御率2.11ととても安定しています。最速148キロの伸びのあるストレートに、ツーシーム、チェンジアップ、スライダー、カーブと多彩な変化球で、打者を惑わせています。
そして、ジャクソン選手。主に8回を任され、7月4日現在で、39試合に登板し、3勝3敗、防御率1.74と、非常に安定しており、最速155キロの豪速球と、キレのあるスライダーの持ち主。
この2人の後に任されている守護神、中崎翔太選手。昨シーズンから守護神を任されて、7月4日現在で、1勝3敗16セーブ。防御率も1.75と、絶対的な守護神となりました。
この3人が現在の広島カープの勝利の方程式。絶対的な中継ぎ陣です。
また、怪我から復帰した一岡選手、今シーズン加入したオスカル選手、ロングリリーフができる今村選手と、先発投手陣負けないくらいの層の厚さです。昨シーズンは、中継ぎ陣が崩れ、逆転負けを喫することが多かった広島カープにとって、今シーズンの中継ぎ陣は、とても信頼できる面々かと思います。

25年ぶりの悲願に向けて

非常に安定している投手陣に加え、好調の広島打線が現在の広島カープの特徴です。非常に投打がかみ合っています。
7月4日現在で、2位の中日ドラゴンズに10ゲーム差をつける独走状態。
この調子をこのまま続け、夏を乗り越えれば、25年ぶりの悲願の優勝も見えてくるのではないでしょうか。

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