サッカー用語「ビルドアップ」とは
サッカー用語の「ビルドアップ」についてご紹介します。
ビルドアップとは
サッカーでのビルドアップとは、「攻撃の組み立て」を意味します。自陣後方のゴールキーパーやディフェンダーからミッドフィルダー、フォワードへ、パスやドリブルによってボールを運び、チーム全体で攻め上がっていく(相手ゴールに近づいていく)過程のことを指します。
あくまで、自陣深くから攻撃を組み立てることなので、中盤や前線からの攻撃はビルドアップと呼びません。
この戦術は、ボールを確実に味方へと繋ぐことができ、チーム全体で相手ゴールに近づくことができるというメリットがあります。
ただ、最終的な目的はゴールを奪うことであり、そのためにボールを相手ゴールに近づけるのです。
ポジションごとの役割
ゴールキーパー
ゴールキーパーは、ビルドアップの起点です。チームの最後方から状況を把握し、ショートパスやロングパスを駆使して攻撃を組み立てます。
センターバック
センターバックは中盤へのパスやサイドチェンジを行います。味方選手がプレーしやすいよう、パスのコースや強さにこだわらなければなりません。
サイドバック
サイドバックは、ゴールキーパーやセンターバックのサポートを行います。ピッチの横幅を使ってスペースを生み出すことや、味方選手がプレーしやすいようボールを持っていないとき(オフザボール)のポジショニングが求められます。
ボランチ
ボランチは、センターバックやサイドバックのサポートを行います。チームの中心に位置し、ポルトガル語で「ハンドル」を意味するほど重要なポジションです。
さらに、360度全ての角度から相手のプレッシャーがかかります。そのため、広い視野を持ち、味方のサポートや状況判断など、チームがどのようにビルドアップするかをコントロールすることが求められます。
サイドハーフ
サイドハーフは、ピッチの横幅を使い、スペースを生み出します。後方からパスを受け、攻撃に転じたり、味方の上がりを待ったりする役割です。
フォワード
フォワードは、縦パスを受けてボールをキープします。こうして前線でボールを保持することで、チーム全体が相手ゴールに近づけます。
ビルドアップに必要なスキル
パスの精度
ビルドアップを行う際、基本的にパスで攻撃を組み立てます。そのため、味方にズレがなく、グラウンダー(ボールが浮いたり弾んだりしていない)で、適度な強さのパスを届ける必要があります。
もし自陣深くパスミスをしてしまったら、失点に直結するので、正確なパスを出せる技術が求められますね。
ポジショニング
ビルドアップを行う際には、ボールを持っていない選手(オフザボールの選手)のサポートする立ち位置が非常に重要です。
サポートする選手の立ち位置が相手に近いと、ボールを奪われる可能性が高くなりますし、ボールを持っている選手と横並びの位置でサポートしても、相手ゴールへと前進するのは難しいです。
状況判断能力
ビルドアップは、基本的に数的優位な状況で行うべきです。なぜなら、自陣で行うため、ボールを奪われず確実に前進したいからです。
ゆえに、相手のポジショニングやハイプレス(相手のプレッシャーが厳しい)かどうかを認知し、ピッチのどのエリアでビルドアップをすべきかを、瞬時に判断しなければならないのです。
また、ビルドアップの目的は、ゴールを奪うためにボールを前線へと運ぶことです。
よくボールをキープすることばかり意識してしまい、ボールポゼッション(ボール保持率)だけが高いということがあるので、攻撃をする際の優先順位に注意しなければなりません。
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