しじみの力
しじみとはシジミガイ科の二枚貝の総称で、日本ではヤマトシジミが多く流通しています。
小さいながらも何とも言えないダシをとるしじみは、お味噌汁の具材として大変人気がありますね。
肝機能のサポート
しじみに期待できる健康メリットとして最もよく知られているのが“肝臓疲労の回復”や“二日酔いの予防”などの肝機能を高める働きです。しじみには肝機能保持や肝臓の修復・アルコール分解に必要なアミノ酸「アラニン」や、肝臓の老廃物や脂肪・毒素を体の外に排出させる「メチオニン」などのアミノ酸が含まれています。しじみの代表成分とも言える非必須アミノ酸の「オルニチン」も肝臓でアンモニアを尿素などへと無毒化する過程であるオルニチンサイクル(尿素回路)に働きかけ、アンモニア分解を促進する働きがあります。加えてアラニンの働きをサポートする働きもありますので、肝機能の改善やアルコール分解を助けてくれます。
加えてシジミにはアルコールの無毒化(分解)過程で発生する“アセトアルデヒド”の分解を高めるタウリンや、アルコール脱水酵素がアルコールを分解するときに必要とされる亜鉛なども含まれています。アラニンやオルニチンの働きと相乗して二日酔いの予防・改善にも役立ってくれます。
お酒を飲んだ翌日の口臭・体臭についても血中のアセトアルデヒド濃度が高くなることが主原因とされていますし、アンモニアもまた体臭や口臭の原因物質として知られています。アセトアルデヒドやアンモニアの分解を助ける「しじみの味噌汁」は飲んだ後の気分の悪さだけではなく、ニオイ対策としても役立ってくれるそうです。
骨粗鬆症予防
しじみにはカルシウムが豊富に含まれていて、その量はあさりの約6倍といわれています。
カルシウムはミネラルに分類される栄養で、骨や歯を形成し、骨折の予防や子供の発育に効果があります。
また、閉経後の女性は骨密度が減少し、骨粗鬆症にかかりやすくなるので、カルシウムの摂取は必要不可欠です。
貧血・冷え性予防にも
しじみは100gあたり5.3mgと魚介類の中でもトップクラスの鉄分を含有している貝です。貧血に良い貝としては牡蠣などもありすが単純に100gあたりの鉄分含有量で比較した場合、しじみは牡蠣の2.5倍以上の鉄分を含んでいる計算になります。実際にしじみ100gを食べることはほとんどありませんので摂取量はさほど多くありませんが、鉄欠乏性貧血の予防や改善用として十分に役立ってくれるそうです。
また丈夫な赤血球膜の合成に必要とされる亜鉛、赤血球生成に関わるビタミンB12や銅などもしじみにはバランス良く含まれています。造血に関わる栄養素としては葉酸がやや少ないのでミネラルの吸収を高めるビタミンCと葉酸を含む野菜類と組み合わせて摂取すると、鉄不足以外の貧血に対しても効果的です。
血液不足(貧血)の改善に役立つことに加え、オルニチンなどアミノ酸類の働きによって肝機能が整うことで基礎代謝向上・体温維持機能の正常化にも繋がります。シジミにはアミノ酸の他にも末梢血管を拡張するビタミンEなど体内循環や代謝に関わるビタミン・ミネラルも含まれていますから、相乗して冷え性や血行不良の改善にも効果が期待できます。
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