さんまの力
秋の味覚を彩る主役といえば、さんま。オホーツク海から南下してきた秋のさんまは脂ののりが最も強くなります。
一年中食べられる安くて便利な「さんまの蒲焼缶」も国民的商品ですね。漁獲解禁~秋にかけての脂ののったサンマは香ばしく塩焼きし大根おろしを添えたものがメジャーです。
体力増強
タンパク質は脂質炭水化物とともに“三大栄養素”とされており、エネルギー源として働く他、内蔵・筋肉・皮膚などをはじめ体を構成する様々な細胞の主成分となる成分です。大きく分けて肉・魚・卵などの動物性蛋白質と、豆・ナッツなどに含まれている植物性タンパク質がありますが、概ね動物性タンパク質のほうがアミノ酸のバランスが良いとされています。サンマもアミノ酸スコアが100(最高値)ですから良質なタンパク源と言えますし、タンパク質の代謝・合成に関わるビタミンB6やB12も豊富に含まれています。アミノ酸のBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)は筋肉疲労の予防・回復促進に有効とされていますし、体力や筋肉の向上にも欠かせない存在です。
病気予防
さんまで注目すべき栄養でEPAがあります。さんまには、EPA(エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれています。
EPAには血中コレステロールを低下させる効果があり、これが動脈硬化や心筋梗塞といった現代人に多いとされる病気の予防に効果を発揮します。
また、EPAには血液粘度を下げ、血管を柔軟にする作用、血小板凝集抑制効果などがあり、血管を柔軟に、血液をサラサラにする作用があります。
食欲の秋だからと暴飲暴食気味の方は、さんまに含まれるEPAで血液をリフレッシュしてみてもいいですね。
DHAが豊富
さんまにはDHA(ドコサヘキサエン酸)も豊富に含まれます。
DHAとは不飽和脂肪酸の一種で、血管そのものの柔軟性を高め、血栓を溶かす働きがあります。そのため、動脈硬化や心疾患、高血圧の予防効果が期待できます。血管系の病気の予防という点ではEPAと働きが似ていますね。
DHAはほかにも、集中力や記憶力の向上も期待できます。脳の記憶や学習に関わる機関である海馬にはDHAがほかの器官に比べて、2倍以上も集中しているためです。アルツハイマー病や認知症の予防にも役立ちます。
ちなみに、DHAやEPAといった不飽和脂肪酸はさんまのような青魚、一部の赤身魚に多く含まれます。さんまのほかに、マグロ、ぶり、鯖(さば)、ウナギ、いわしなどにDHA・EPAが多く含まれます。
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