先週の土曜日に行われた、エリザベス女王杯のステップレース・府中牝馬ステークスは、雨がふりしきる東京競馬場にて稍重のコンディションのなか行われました。
レース前に得た情報からすると、過去10年間において7、8枠からの出走馬の勝利率が非常に高く、1着とならなくても複勝率も高いというデータが叩き出されていました。出馬表をみると8枠にはアスカビレンとバンゴールと、メンバー全体をみるとかなり劣るということもあり、そうなると7枠のクロコスミアとワンブレスアウェイの二頭に注目。
今回のメンバーにおいて、圧倒的な逃げ馬がいないということで、その矛先はクロコスミアへといった注目を集めてみました。

7枠のジンクスを得たクロコスミア

そのクロコスミアですが、予想と期待通りにスタートよく飛び出して、馬なりの二の足で悠々とハナを取りレースを引っ張るかたちに持ち込めました。序盤は行きたがるクロコスミアを鞍上の岩田騎手が抑え気味にスローの展開に持ち込み、最内を通って1キロ通過を1分1秒と、ここまでは作戦通りにレースを進めていきました。
3コーナー辺りから、さすがに末脚軍団が仕掛けてくるのかなと思いましたが特別な動きはそこまで見受けられずに4コーナー突入。ここでも不気味なくらい差が縮まらずにそのまま直線。リアルタイムで観ていたときは、ここまで差を縮めなかったということはクロコスミアが段階的にスピードを押し上げていたので、これは一気に直線で崩れるのかなと思いきや、ここでクロコスミアもギアチェンジ。鞍上の岩田騎手がペースを完全に支配し後ろからの仕掛けがないことでスローのまま末脚の余力十分にした上で直線勝負へと持ち込んでいました。ベテランの手綱捌きを見せつけられた感じです。
最後は流石に緩んだのでヴィブロスの強襲にあいますが、序盤に溜めていた余力でなんとか逃げ切って勝利。ここにきてやっと重賞制覇を成し遂げました。
今回のように馬場状態にもよりますが、エリザベス女王杯でもペースの上げ下げができる分、ハナを取ったら無視はできないレベルにあるので楽しみな一頭です。

モヤモヤ感たっぷりな今回!クイーンズリング

枠順からしてもう少し外に欲しい感じだったのはレース前から感じていたことでした。
まあ、でもなんだかんだの4着は斤量56を背負った今年でも、そこそこのヒカリ見せてくれたというのはありますが、正直なところ、個人的にはいまいちエリザベス女王杯に向けて参考にはならなかったなというのが感想です。
今回の敗因の全てはスタートの出遅れが8割以上といったところですが、かなりスローとなった今回のレースにおいて、出遅れからのリカバーは簡単にできたはずかなと。それでも動けないのは一瞬の瞬発力のために余力を残したいという鞍上のデムーロ騎手の考えがあったのかもしれません。馬場状態が悪いというのもあってか、なかなか仕掛けない馬ばかりだったので、思いきった行動にでるデムーロ騎手に期待も、クイーンズリングも同じように引っ込んだまま。ベストとしては5番手前後でレースを進めてナンボのクイーンズリングが後方から数えた方が早い13番手付近。まあ、この時点で前には届かないのが見えていました。結局直線でも、更に後方からやってきたアドマイヤリードにあっさり交わされてしまっているので状態面は昨年のエリザベス女王杯の時よりも劣っているのは確かかなと感じています。が、高速馬場でここ最近レースをやれていないのが正直なところ。約1ヶ月後の京都の馬場状態次第では・・・といったところでしょうか。

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