ナットウキナーゼとは?

日本人にとっては食卓でおなじみ伝統食品「納豆」。
この納豆のネバネバ部分に含まれるタンパク質分解酵素がナットウキナーゼです。
原料の大豆には含まれず、納豆菌の繁殖によって粘りの中に作り出される成分で、275のアミノ酸からなる比較的安定的なタンパク質です。
食品では納豆にしか多く含まれない納豆特有の酵素でありますが、とてつもない効果を与えてくれるのです。

心筋梗塞の予防

ナットウキナーゼは心筋梗塞の原因である血栓に直接働きかけて分解し、血液が詰まるのを防いでくれます。
そもそも、心筋梗塞は、加齢や高血圧、メタボリックシンドロームなどで、血管が狭くぼろぼろになった「動脈硬化」が原因で起こります。動脈硬化になると、傷ついた血管を修復するために作られた血栓が体内に蓄積され、血液の流れを止めてしまうのです。
この血栓の主成分は「フィブリン」という呼ばれるものですが、ナットウキナーゼには、このフィブリンを分解して溶かす効果があります。
また、私たちがもともと持っている血栓溶解酵素であるウロキナーゼを活性化させる作用や、血栓溶解酵素のプラスミンを組織する「プラスミノーゲンアクチベーター」を増やす作用もあるのです。
さらに、ナットウキナーゼには血栓を溶けにくくする阻害物質を分解する作用も報告されています。こうした働きで、まさに全方向から心筋梗塞を予防してくれていると言えます。

脳梗塞の予防

ナットウキナーゼは脳梗塞の予防にも効果を発揮します。
脳梗塞の原因のひとつであるコレステロール値を低下させるからです。
脳梗塞は、心筋梗塞と同様に「動脈硬化による血栓」や、脂肪の塊、腫瘍などが脳の血管に詰まってしまうことで発症します。
脳の血のめぐりが正常の5分の1から10分の1くらいに低下し、脳組織が酸素欠乏や栄養不足に陥った結果、脳細胞が死んでしまうことによって起きる病気です。
死に至ることも多く、助かってもまひなどで辛い日々を送ることが多くなります。 
この脳梗塞の原因のひとつが、血液中のコレステロール値が高いことです。ナットウキナーゼには、この血中コレステロール値を下げる効果があることがわかっています。
とある調査によれば、男女65名による実験では、1日2パックの納豆20日間を食べ続けたところ、コレステロールと中性脂肪が減少したそうです。
これは、ナットウキナーゼの血栓を溶かす働きの副産物とも言えます。ナットウキナーゼは、血栓を溶かしてくれるプラスミンを組織する「プラスミノーゲンアクチベーター」を増やす働きを高めますが、実は、この働きが血栓を防ぐだけでなく、血液の循環をよくして、コレステロールや中性脂肪が増えないようにしてくれるのです。

生活習慣病予防

生活習慣病は、毎日の食生活やストレスなどが原因で起きる病気のことで、糖尿病や脳卒中、高血圧や脂質異常、肥満などを指します。これらは、命に関わる病気の原因にもなることから、できるだけ早い改善が求められます。
この生活習慣病の原因のひとつが活性酸素です。活性酸素はいわば体が老化する原因であり、この活性酸素が多く発生することで内臓や骨なども老化し、体全体の老化が進んでしまうと言われています。
ある研究では生活習慣病の90%が活性酸素が原因だと言われています。そのため、活性酸素の発生を防ぐ抗酸化力のある成分が注目を集めています。
血栓を溶かす、できるのを防ぐナットウキナーゼには、実は抗酸化作用が含まれていることが最近の研究でわかっています。もともと、血管がぼろぼろになる動脈硬化は、血管の老化現象ともいえるもの。つまり、血液の健康状態と体の老化の間には密接な関係があるのです。

便秘の予防

便秘の原因の多くは、繊維不足や腹筋の力が弱まっていること、またはストレスによるものとされています。けれども、一番の原因は腸内善玉菌が減って悪玉菌が増えた状態になっていることが挙げられます。
ナットウキナーゼは、腸内の善玉菌を増やして悪玉菌を減らす整腸作用を持っています。さらに、抗酸化作用のあるビタミンBを増やして細胞が傷つくのを防ぐほか、腸内に存在する有用な菌を増やす働きもしてくれます。
この働きによって、腸が健康な状態に保たれ、結果的に便秘を解消し、慢性便秘を予防してくれることにつながるのです。

ナットウキナーゼの摂り方

血栓は深夜から早朝にかけて出来やすいため、ナットウキナーゼを摂取する時間帯は夕食後や寝る前がよいと考えられます。40代以上の方、ストレスの多い方、血圧が高めの方、高脂血症や糖尿病などで血液粘性の高い方等には、特に定期的な摂取をお勧めします 。

関連するまとめ

夏に食べたくなるのはスイカですよね。実は野菜で、様々な効果がありますので紹介します。

みなさん、スイカが野菜と果物のどちらかをご存知ですか?果物と思われている方が多いようですが、スイカは実は野菜…

NASAも注目するスーパーフード「キアヌ」の効果とは。

キヌア(Quinoa)とは、南米のアンデス山脈で大昔から栽培されてきた穀物。米や麦よりも、アワ・ヒエに近い「…

悪口を言うと老ける!?認知症になる!?悪口が脳に与える影響とは?

悪口ばっか言ってる人ほど、老けてる!?認知症になりやすい!? 悪口を言うことが自分にも災いを招きます。

関連するキーワード