現役最強馬を証明したキタサンブラック!

「参りました」というのが正直な感想です。前評判どうりの強さを見せつけ圧巻の勝利で幕を閉じた今年の天皇賞・春。スタートでほぼ全てが決まったような、そんなレース展開でした。ディープインパクトが持っていたレースレコードを塗り替える3:12.5秒。更に2006年にレコードを叩き出したディープインパクト以来の1番人気が優勝と、これまで荒れていたレースに終止符を打った結果となりました。更に昨年の有馬記念で敗れたサトノダイヤモンドにリベンジで来た結果となりました。
菊花賞、ジャパンカップ、大阪杯、そして2つの天皇賞・春。これで5つのGIを制覇し、名実ともに名馬の仲間入りといったところでしょう。
昨年と全く同じルーティンとなっているキタサンブラックも次走は、おそらく宝塚記念。この宝塚記念では既に引退したマリアライトとドゥラメンテに差され3着と嫌な思い出のレース。昨年よりも更に強くなったキタサンブラックで払拭できるか、楽しみです!

スタートでほぼ決まった今年の天皇賞・春

3番人気をつけたシャケトラはスタートで大きく出遅れ後方からのレースとなり、ダークホース的存在のゴールドアクターもまたスタートで出遅れいつもよりかなり後方からのレースとなりました。シャケトラはすぐさまリカバーし2列目まで順位をあげてきたが、キタサンブラックをぴったりマークしたいゴールドアクターは無理せず中団で待機せざる得ない状況に。この時点で、この二頭の連対率はグッと低くなった状況でした。
レースを引っ張ったのはヤマカツライデン。最外枠から一気にスタートを決めハナにたち、馬群を置いて10馬身ほどの単独走法。1キロ通過を58秒のラップを刻み、かなり速いペースも、2番手を走るキタサンブラックの1キロ通過は約60秒前後と平均のラップタイム。キタサンブラック無理して差を縮ませることなく楽なレースとなった印象です。

好位置につけていた馬が有利に展開!?

ヤマカツライデンの大逃げ展開となったことにより、単騎で楽にレースを進めるキタサンブラック。その後方にはアドマイヤデウスで上手くついていきラストに備えて待機。サトノダイヤモンドも好位にレースを進めていくシュヴァルグランの後方につき、またいつもなら最後方でレースを進めるアルバートがサトノダイヤモンドをぴったりマーク、更には同じく追込み馬であるはずのトーセンバジルも続きました。
3200mと長い距離に加え、基礎スピードが速い強馬揃いのこのレースでは、極端に後ろ目からのスパートをかけてもモタレて差が縮む事なく終わることを見越しての先行レースといった展開に持ち込んだものと思えます。
実際に17番手にレースを展開していたレインボーラインも12着、17番手でレースを展開していたプロレタリアトについては、順位が上がらずにそのまま17着でフィニッシュ。
過去を見ても追い込みよりも先行が有利となっているレースだけにスタートがかなり重要な要素だったのがわかるレースでした。

やはり荷が重かったか!?シャケトラ

サトノダイヤモンドと同じ世代の4歳馬。デビューは3歳と遅く、クラシックレースは出走なし。ここまで6戦4勝と一気に頭角を現したシャケトラ。この春は日経新春杯を1着のミッキーロケットと着差なしのハナ差で2着。日経賞では、ゴールドアクター、ディーマジェスティといったGI馬相手に堂々のレースで1着と、波にのるなか天皇賞・春を迎えました。しかしここまでの出走の最長距離は日経賞の2500m。確かに最後の脚に余力は残っていたとは思えることと、血統も問題はなさそうということで3番人気をつける優勝有力馬として出走も、スタートで大きく出遅れたことと、前半に体力を消耗してしまったことにより、5番手追走も終わってみれば9着と最後の脚を発揮できずに終えたレースでした。
それでも最強世代の4歳馬の中では、菊花賞2着のレインボーラインよりも好成績を残しました。おそらく遅咲きのシャケトラ。今後のレースでも成長は期待できそうです。

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