NBAオールスターのスターターが発表されましたが、スターターにも負けない活躍を見せている選手も多いです。
その中で、リザーブでの選出間違いなしの、東西地区の注目すべき選手を各1名掘り下げてみたいと思います。

東地区 アイザイア・トーマス(セルティックス)

東地区の注目すべき選手は、ボストン・セルティックス所属のガード、アイザイア・トーマスです。
今シーズンは、現段階で平均得点29.0点で、得点王ランキング2位のスコアラーで、去年はリザーブとしてオールスター初出場。今回のオールスターも、この活躍からして、リザーブとして選出は濃厚です。

2011年のドラフトでNBAの門を叩き、キャリア7年目の選手です。
そのドラフト順位は2巡目30位。ドラフトは2巡目30位が最後となり、毎年60人が指名されます。つまり、アイザイアトーマスは、その年のドラフトの最後の最後に指名された選手です。

最下位順位ながら、入団したサクラメント・キングスで4年間活躍し、オフにフェニックス・サンズに移籍。移籍したシーズン途中で、複数チームが絡んだ大型トレードで、現在のセルティックスに所属。

昨年オールスターまでに選ばれた選手が、なぜここまで指名順位が低くなるほどの評価だったのか。
それは単純に身長です。

2メートル級の選手が、走り・飛ぶNBAの中で、一際目立つアイザイアトーマスの身長は、公表175センチです。
PGでも190センチ前後は当たり前のなかでは、175センチの身長は、あまりにも低い。評価が低いのは仕方ないです。
その逆境を跳ね退けて、昨シーズンのオールスター選出は、全米を驚かせました。
もし、今シーズン得点王を獲る事が出来れば、あのアレン・アイバーソンを越える、最も小さな得点王の誕生です。

名前の由来

さて、このアイザイア・トーマス選手。
NBAのオールドファンであれば、名前をみただけで懐かしくなるのではないでしょうか。
1988-1989・1989-1990年と2連覇達成した、デトロイト・ピストンズ。
チーム全体での激しいディフェンス、肉弾戦で『バットボーイズ』の愛称として恐れらたピストンズの、エースであったアイザイア・トーマスと同じ名前です。

好きな選手の名前を子供につけるという事は、日本でもあると思いますが、トーマスの父親は、ロサンゼルスレイカーズのファンでした。
1988年、ロサンゼルス・レイカーズとピストンズの間でNBAファイナルが行なわれると、レイカーズが4勝3敗で制した。そのとき、トーマスの父、ジェームズ・トーマスは、友人とこんな賭けをしたと言う。
「来年のファイナルもレイカーズが勝つ! 負けたら……」。
「負けたらどうする?」。
「負けたら、2月に生まれる息子の名前を、アイザイアにする」。
息子の名前を、敵の中心選手にするというのは、レイカーズファンにとっては屈辱的行為。結果はご覧の通りですね。
ただ、父親は、アイザイアという名前は気に入っていたそうです。

そしてレイカーズのライバルチームといえば、セルティックス。
ファイナルで負けた相手のエースの名前を息子に付けて、さらに息子はレイカーズのライバルチームであるセルティックスで活躍中・・・
事実は小説よりも奇なりとは、よく言ったもんです。

そのアイザイアトーマスという名前が故にかわいそうだったのが、ピストンズのアイザイアトーマスは引退後、解説や監督を務めたのちに、ニューヨークニックスの球団社長と監督をしましたが、トレード・FA獲得などの補強策は失敗の連続でチームは低迷。
その後、ニックスの役職を解雇されましたが、ニックスファンはチームをボロボロにしたトーマスを憎んでおり、現在のアイザイア・トーマスが、ニックスのホームに訪れたさい、ただただ、同じ名前というだけで、会場全体でブーイングをしていました。
本人は、何もしていないのに、あのブーイングはさすがにかわいそうでした。

西地区 ラッセル・ウェストブルック(サンダー)

もしも、MVP投票権利が自分にあるならば、現段階では間違いなくこの選手に投票するぐらい、今シーズンは神がかったプレーをしています。
オールスターガード部門3位で先発にならなかった事に、異論が続出するぐらいの活躍ぶりです。


2008年ドラフト4位で、現在も所属するサンダーに入団。
過去5回のオールスター選出され、昨年・一昨年と2年連続オールスターMVP獲得しております。
2015年は得点王を獲得しています。

このオフに長年チームの核として共に活躍してきた2名が移籍。
長年2人のデュオで、1試合で50〜60点以上取ってきた、ケビン・デュラントがFA移籍。
チームのインサイドディフェンスの担っていた、サージ・イバカがトレード。
昨シーズンよりも、サポーティングキャストが恵まれない中でも、27勝19敗で西地区6位。シーズン前はプレーオフも出れないのではないかと言われたなかで、奮闘した成績を残してるのは、ウェストブルックの獅子奮迅の活躍あってのことでしょう。

伝説の成績に挑んでいる今シーズン

MVP有力候補・オールスター先発に選ばれない事への異論。
ここまで高い評価の今シーズン。なぜここまで高いのか。

まずは、NBAにおける個人の主要成績は、得点・リバウンド・アシスト・ブロック・スティール(相手からボールを奪う事)この5部門です。
この5部門のなかで、1試合で二桁数字を2つ達成する事を【ダブルダブル】3つ達成で【トリプルダブル】と言われます。4つ5つもありますが、ほぼないので割愛です!
このダブルダブル・トリプルダブルに絡むのは、ほぼ得点・リバウンド・アシストになります。
ダブルダブルはリバウンドの強いインサイドプレイヤー。パスのうまいガードの選手が、それぞれ得点・リバウンド。得点・アシストで達成したり、シーズンの平均成績でダブルダブルを残す選手もシーズンに数名はいます。

ただ、トリプルダブル達成はかなり稀です。
得点をして、リバウンドを取り、アシストをする。オールラウンダーな活躍が条件になります。
このトリプルダブルを、ウェストブルックは今シーズン連発しており、82試合のシーズンの半分を終えた段階で、トリプルダブル回数は23回を記録する異常な成績を残しています。

個人の平均成績も、46試合終えた時点で
【30.7得点・10.7リバウンド・10.4アシスト】
1試合平均成績でもトリプルダブルの数字を残しています。
シーズン成績でのトリプルダブル達成者は、長いNBAの歴史のなかでも、1961-1962シーズンに伝説の名プレイヤー、オスカー・ロバートソンが達成しただけの伝説の成績です。

20試合ぐらいの段階の時は、凄い成績残しているけど、試合数少ないから、成績増減激しいし、シーズントリプルダブルとか絶対に無理。
個人的にそう思っていましたが、シーズンの半分を過ぎてこの成績。
ここまで来ると、シーズントリプルダブルの成績を目にしたい気持ちです。
残りシーズン半分の活躍に注目です。

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中山葵

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