仕事に対する価値観や生活様式の差が浮き彫りに?デジタル世代と管理職の労働や生活に関する調査
アデコ株式会社は、デジタルネイティブ世代とデジタル世代の部下を持つ管理職を対象に、仕事に対する考え方などに関する意識調査を実施しました。
デジタル世代は、仕事を通じて「やりがいや達成感を得る」ことを求めていない。
人財サービスのグローバルリーダーであるアデコグループの日本法人で、総合人事・人財サービスを展開するアデコ株式会社は、学生の頃からインターネットやパソコンのある⽣活環境の中で育ってきた、デジタルネイティブ世代(※1)(以下、デジタル世代)とデジタル世代の部下を持つ管理職を対象に、仕事に対する考え方やコミュニケーションに関する意識調査を実施し、結果を発表いたしました。(*1:調査では、20代(20-29歳)をデジタルネイティブ世代と定義して調査を実施しています。 )
デジタル世代・管理職共に仕事をする目的として「収入を得るため」が最上位にランクインしましたが、それに次いで、半数以上の管理職が「やりがいや達成感を得るため」を選択し、管理職にとっては、仕事を通じていかにやりがいや達成感を感じられるかが重要な要素であるという結果になりました。一方、デジタル世代に目を向けると「やりがいや達成感を得るため」を選択した割合は33.2%で、管理職よりも18.4 ポイント低いという結果になり、デジタル世代は管理職ほどには、仕事を通じてやりがいや達成感を得ることを求めていないことが分かりました。また、「仕事を通じて社会に貢献する」、「社会的な成功を得る」という選択肢も、管理職とデジタル世代との格差が大きく、管理職に比べデジタル世代は10ポイント以上下回るという結果になりました。
デジタル世代は「残業が少なく、休暇が取りやすい」ことを重視。
仕事を行う上で重視している点については、デジタル世代・管理職ともに、「安定して働くことができる」、「職場の雰囲気・人間関係が良い」が上位を占めています。デジタル世代では、「残業が少ない」、「休暇を取りやすい」を管理職より重視する傾向にあり、管理職と比較すると20ポイント以上という大差がつきました。一方、管理職が⽐較的重視している「自分の個性や能力を生かせること」という選択肢についても、デジタル世代と管理職の差は大きく、デジタル世代にとっては、仕事を行う上で自分の個性や能力を生かすことをそれほど重視していない傾向にあることがわかりました。
仕事満足度は管理職の方が、デジタル世代より満足度が10ポイント高い
仕事・職場に対する満足度について尋ねたところ、総じて管理職の満足度がデジタル世代よりも高く、特に「仕事内容」に対する満足度の差が最も大きいことが分かりました。また、総合満足度においても、管理職がデジタル世代を10ポイント以上上回る結果になりました。
転職意向はデジタル世代が管理職より17.6ポイント高い
1年以内に転職するつもりという人は約1割に留まるものの、将来的には転職したいと思っているデジタル世代は、35.8%で、管理職より1割ほど多いことがわかりました。6割以上の管理職が、転職は考えていないという回答に対し、デジタル世代で同様の回答は5割未満となり、転職に対する抵抗感が低いことがうかがえる結果になりました。
デジタル世代は「1つの企業や団体にのみ属して働くこと」が理想的な働き方
理想的な働き方に関する質問では、デジタル世代・管理職ともに「1つの企業や団体にのみ属して働く」が5割以上を占めました。多様な働き方が一般的になりつつある昨今において、意外にもデジタル世代は、「起業」、「フリーランス」といった独立志向は少なく、むしろ管理職のほうが、5.8ポイント高いという結果になりました。
デジタル世代は、挑戦を支援してくれる上司より、相談に乗ってくれる上司を好む傾向に
デジタル世代には理想的な上司像を管理職へは、自身が20代だった頃の理想的だと思っていた上司像について尋ねたところ、デジタル世代では「仕事で困った事について相談に乗ってくれる」がトップにランクインしました。一方、デジタル世代は「挑戦しがいのある仕事を任せてくれる」が最も低くなり、挑戦を支援してくれる上司より、相談に乗ってくれる上司を好む傾向にあることが分かりました。
デジタル世代への印象はPC・デジタルスキルが高く、打たれ弱い?
管理職のデジタル世代に対する印象(良い点)では、「PC スキル、デジタルスキルが高い」が5割以上と高く、次いで「情報収集が速い」、「新しい物事に好奇心を持っている」、「向上心がある」という順に多い結果になりました。一方で、デジタル世代に対して課題と感じている部分については、「打たれ弱さ・ストレス耐性の低さ」が最も多く、次いで「ビジネスマナーの不足」、「一般常識・教養の不足」について課題と感じる管理職が多いという結果になりました。
InstagramとTwitterで利用頻度の差が大きい
SNSの使用状況を使用率(※2)でみると、デジタル世代・管理職ともに「YouTube」がトップとなっています。全般的に SNSの利用頻度はデジタル世代が管理職を上回っており、特に「Twitter」、「Instagram」、「Facebook」での差異が顕著であることが分かりました。ライフスタイルについて尋ねたグラフからは、デジタル世代はSNSやネットを単に情報を得るだけではなく、購買や交流に生かし有用に活用していることが読み取れます。また、デジタル世代は管理職世代と比較し、SNSで情報発信を行う際には他者からどう見られるかを意識する傾向にあり、新聞や本といった紙媒体から情報を得る機会が少ないという結果になりました。
(※2:調査で回答を得た各項目の利用頻度や傾向をスコア化して比較しています)
管理職からの「飲み会やランチへの誘い」をデジタル世代は疎ましく感じている
管理職がデジタル世代とのコミュニケーションを円滑にするために心がけていることとして「メールやSNSでコミュニケーションをとるようにする」、「飲み会やランチに誘う」を挙げています。一方、デジタル世代が上司や先輩からのコミュニケーションで好ましくないと感じているものは、「飲み会やランチへの誘い」が多く挙がっており、実際に行っている管理職は少数ながらも、良かれと思っている行動が受け手には煩わしく感じているという実態があることが分かりました。立場も思いも違えど、最終的に仕事をする目的は「収入を得るため」なのが率直でいいですね。
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アデコ株式会社 | 2019-1-8