月面着陸、バブルの絶頂と崩壊などの時代を味で再現

10月26日放送の「ひるおび!」でも紹介されていた、社会を反映する新聞記事からその時代のムードをチョコレートの味わいで再現した「あの頃は CHOCOLATE」が今注目を集めています。日本電気株式会社とサンフランシスコ発のBean to Bar(※注1)チョコレート専門店のダンデライオン・チョコレート・ジャパン株式会社は、AIとチョコレートメーカー(※注2)のコラボレーションにより、「あの頃は CHOCOLATE」を新たに開発したとのことです。

(※注1)Bean to Bar(ビーン トゥ バー):チョコレートの製法の1つ。カカオ豆の選別、焙煎、摩砕、テンパリング、成形といった「ビーン(豆)」から「バー(板チョコ)」になるまでの製造過程のすべてを1つの作業所で完結することを意味する。ダンデライオン・チョコレートでは、原料のカカオ豆の選定から行っている。

(※注2) チョコレートメーカー:原材料であるカカオ豆の産地、品質、収穫年によるフレーバーの特徴を深く理解し、カカオ豆の産地や収穫年毎に焙煎や砂糖を入れるタイミングなどの条件を変えてチョコレートを製造する職人。

この企画はNECが、AIによる味覚予測シリーズとして、2017年に名作文学の読後感をAIで分析しコーヒーの味わいで再現したブレンドコーヒー「飲める文庫」に続く第二弾商品となるようです。今回開発された「あの頃は CHOCOLATE」は過去約60年の新聞記事のうち、印象的な出来事のあった5つの年をピックアップし、各1年分の新聞記事をAIで分析、分析結果を表した7つの味覚指標をもとに各時代のムードをチョコレートで再現。「あの頃は CHOCOLATE」は1969 人類初の月面着陸味、1974 オイルショックの混迷味、1987 魅惑のバブル絶頂味、1991 絶望のバブル崩壊味、2017 イノベーションの夜明け味の5種類を展開するそうです。商品は、ダンデライオン・チョコレートのオンラインストアで10/25(木)から予約の受付が開始されます。

「あの頃は CHOCOLATE」の開発プロセス

1.NECのデータサイエンティストが、新聞1面記事のテキストデータから、代表的な頻出単語(約600語)に対しチョコレートの7つの味覚指標(甘味/苦味/酸味/ナッツ感/フローラル/フルーティ/スパイシー)を付与した学習データ(※注3)を作成。

2.NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」(※注4)を活用した「NEC Advanced Analytics Platform with 異種混合学習」(※注5)に、学習データおよび大量のテキストデータから構築した単語の意味情報を投入することで約60年分の新聞記事(1960年1月~2018年8月の約60年分、朝刊一面記事、17万件)記載の単語(約13万8千語)の味をAIが推定。

3.推定された全単語の味を用いて年ごとの記事を分析し、その年のムードを表す味覚指標のレーダーチャートを作成。60個のレーダーチャートから印象的な年として5つの年を選出。

4.作成されたレーダーチャートをレシピとして、ダンデライオン・チョコレートのチョコレートメーカーが5種のチョコレートを開発。

NECは社会ソリューション事業に注力しており、独自あるいは世界トップクラスの高精度な各種AIの開発や、それらを活用したソリューションの提供を推進しています。今回、NECのAI技術力や、人とAIの協調を身近に感じてもらうため、「あの頃はCHOCOLATE」を開発したようです。ダンデライオン・チョコレートはシングルオリジンのカカオ豆ときび砂糖のみからチョコレートを作るサンフランシスコ発のBean to Barチョコレート専門店で、現在日本国内に4店舗を展開しています。開発者(チョコレートメーカー)は「ダンデライオン・チョコレートでは通常、生産地毎のカカオ豆が持つフレーバーの特徴に合わせて開発を行っています。今回のように目指す味わいを決めた上で、カカオ豆の産地の選定を行い、焙煎条件などを変えて時代毎のイメージと引き合わせていくといった手法は、わたしたちにとって全く逆の開発手順でしたし、初めての取り組みでもありました。その時代のムードをどう引き出すか、チームで一丸となって考えました。「あの頃」を思い出しながら味わっていただけますと嬉しいです。」とコメントされてます。

(※注3)学習データにおける味覚指標と単語の例
甘味:回復、改善、成長 など
苦味:不安、低迷、厳しい など
酸味:進出、変わる、早期 など
ナッツ感:強化、大量、根強い など
フローラル:解放、緩和、伸び など
フルーティ:新しい、若い、始める など
スパイシー:改革、先進、危機 など

(※注4)「NEC the WISE」(エヌイーシーザワイズ)は、NECの最先端AI技術群の名称です。"The WISE"には「賢者たち」という意味があり、
複雑化・高度化する社会課題に対し、人とAIが協調しながら高度な叡智で解決していくという想いを込めています。
・NEC、AI(人工知能)技術ブランド「NEC the WISE」を策定 https://jpn.nec.com/press/201607/20160719_01.html
・NECのAI https://jpn.nec.com/ai/

(※注5) NEC Advanced Analytics Platform with異種混合学習 異種混合学習(※注6)を内包しているAI活用プラットフォーム。AI活用における検証~導入~活用フェーズを、同一基盤でシームレスに接続できます。
https://jpn.nec.com/aapf/index.html

(※注6)異種混合学習 多種多様なデータの中から精度の高い規則性を自動で発見し、その規則に基づいて、状況に応じた最適な予測を行うとともに予測結果の根拠まで説明可能な、NEC独自のホワイトボックス型AI技術。

「あの頃は CHOCOLATE」

1969 人類初の月面着陸味

戦後の混乱は落ち着きつつも、学生運動が活発化し、不穏な空気が広がっていた1969年、人類は初めて月に立った。世界中が人類の偉大な一歩に心を震わせ、不安の中にも希望の光を感じていた時代のムードがチョコレートに。
酸味のあるインド産カカオ85%。苦味の中にもクランベリーのようなフルーティな味わいが広がります。月面の凹凸をカカオニブで表現しています。

1974 オイルショックの混迷味

中東戦争の戦火は、オイルショックとなって日本に降りかかった。狂乱物価、物資の買い占めなど、日常生活も大混乱する中で、省エネにより国民一丸となって回復を模索していた時代のムードをチョコレートに。

1987 魅惑のバブル絶頂味

山手線内側の土地価格でアメリカ全土が買えるとまで噂された地価上昇、連日最高値を更新する株式市場に支えられ、日本全体が好景気に酔いしれていたバブル絶頂期の時代のムードをチョコレートに。甘さと華やかさを兼ね備えたホンジュラス産カカオ70%。まろやかな桃のような甘さに、ジャスミンの香りが広がり、ひとときの栄華が口のなかで耽美にただよう一品に仕上がりました。ミルキーでフローラルなシエラレオネ産カカオ70%。ローストを調整し、ヘーゼルナッツのクリーミーさに、栗の皮の渋みが顔を出す、混迷を極めた時代の複雑な味わいを感じることができます。

1991 絶望のバブル崩壊味

永遠に続くかと思われた好景気も、泡のようにはじけて散った。不動産、株式の価格は暴落、不良債権が拡大し、企業倒産も相次いだ。1991年、バブル崩壊の衝撃と絶望感がただよう時代のムードをチョコレートに。砂糖不使用、コスタリカ産カカオ100%。強い苦味に、カカオ本来の酸味が立ち上がり、後味にはチリのようなスパイス感が残ります。天国から地獄へと突き落とされた日本の空気を味わえます。

2017 イノベーションの夜明け味

人工知能ブームが過熱した2017年。自動運転、ドローン、仮想通貨など目覚ましい技術革新がもたらした期待と興奮、夢に見た未来が現実となりはじめた刺激的な時代のムードをチョコレートに。ナッツを感じるドミニカ共和国産カカオ70%。ローストの温度と時間を丁寧に調整することで、バニラのような甘み、ミルクティーの茶葉の香りを引き出し、後味にシナモン、チリペッパーのスパイシーさを感じさせます。

「あの頃は CHOCOLATE」というネーミングでなんとなくその当時の味を再現したチョコレートなのかと思っていたのですが違うようですね。「人類初の月面着陸味」と言われてもどんな味なのか全くわからないので、味が気になる人は早速予約をしてみてはいかがでしょうか。

関連するまとめ

グランドニッコー東京台場「GARDEN DINING」「初夏のみちのくグルメフェア」…

「東京を楽しむ 東京をくつろぐ」ひとときをお届けするグランドニッコー東京台場(住所:東京都港区代表取締役社長…

イチローさんと女優・天海祐希さんが3年ぶりの共演!新TV-CM「DISCOVER G…

SMBC日興証券株式会社は、ブランドパートナーであるイチローさんと、女優の天海祐希さんを起用した新TV-CM…

高校生が選ぶ!尊敬するスポーツ選手!【女子編】

※尊敬できる「スポーツ選手」について、その「名前」と「尊敬できる理由」を2名まで回答してもらいました。 (ア…