冬のランニングで大事なのは、まず筋温を上げること

冬は当然のことですが気温が低いため、私たちの筋温(体温)も下がっています。
筋温が低いと筋肉は固まり、本来持っている柔軟性を失っている状態です。また、関節の可動域も筋肉などの柔軟性に影響されます。つまり、筋肉の柔軟性が低下した状態では、関節の可動域が制限され、イメージしたように体が動かないのです。

このような状態で急に運動を始めると、筋肉や関節に負荷がかかりやすくなり、パフォーマンスが十分に発揮できないばかりか、肉ばなれや関節痛、腱の炎症といったケガのリスクが高まります。ケガを予防するためにも、冬ランは筋肉を温め、筋温を上げることが大切です。

しっかりとウォーミングアップ

よくウォーミングアップ代わりにウォーキングからスタートし、その後ランニングに移行して、徐々にペースを上げるランナーもいらっしゃいますが、気温が低い冬場は逆に体を冷やしてしまうため、あまりおすすめできません。

筋温が高い夏場は筋肉をほぐす程度のストレッチでも大丈夫ですが、冬のウォーミングアップは体を大きく動かすことを意識します。体を動かすと全身の筋線維が収縮・弛緩を繰り返します。それにより筋温が上昇し、筋肉の柔軟性が高まると同時に関節の可動域も広がります。

走り始めはゆっくりと

ウォーミングアップで少し体が温まったら、ランニングをスタートします。最初は人と会話が出来る程度のスピード、ジョギングレベルから入ることで、さらに筋温を上げます。早く体温(筋温)を上げようとして最初からスピードを上げて走るのは、ケガのリスクを高めてしまいます。十分注意して下さい。

筋肉と同じように血管も寒さによって収縮しています。普段から血圧の高い方は、特にゆっくりスタートすることを心がけてください。

ジョギングで十分に体が温まったら、徐々にスピードを上げていきます。ただし、冬の場合、ランニング強度を高めたいのであれば、スピードではなく、走る時間や距離を伸ばすことで負荷を増やすようにしましょう。

ランニングをこれから始めるビギナーの方は、無理にスピードを上げず、冬の間はジョギングレベルで体を慣らしましょう。無理をしてケガをするとせっかく始めたランニングを継続できなくなります。気温が上がり、暖かくなるまではケガをしないことを優先しましょう。

ゴールした後はクーリングダウンで疲労回復

目標としている時間や距離を走りきったあと、寒いからといってすぐに終わるのではなく、クーリングダウンを行います。これは激しい運動によって興奮状態にある心身を落ち着かせるとともに体への負担を和らげるものです。

ゴールを過ぎた後、数分間ペースを落としジョギングをします。こうすることで心拍数をゆっくりと下げ、体を落ち着かせていきます。また、軽いジョギングには筋肉をリラックスさせる効果もあります。

ランニング後の体は思った以上に疲労しています。翌日に疲れを残さないために、ストレッチで筋肉をほぐします。ただし、汗をかいたまま外でストレッチをすると体が冷え、風邪をひいてしまいます。自宅がスタート&ゴールの場合は、家に入って着替えてからゆっくりストレッチをします。もし、ランニングコースが家から遠い場合は、ランニング後に体が冷えない程度に軽く、帰宅後にしっかりストレッチをするというように2段階でするのが良いでしょう。

筋温を下げないためのランニングアイテム

ランニング中も体を冷やさない(筋温を下げない)ために、手袋、ネックウォーマー、帽子などの防寒アイテムを使いましょう。

特に手袋は必ず着用してください。手が冷えて、血流がさらに悪くなり、腕が振れなくなります。そうなるとランニングフォームが崩れ、ケガの発生にもつながります。

意外と忘れがちなのが足首の保温です。ランニング用のショートソックスを履いているとタイツとソックスの隙間ができ足首部分が露出します。足首周りが冷えると着地の衝撃吸収が上手くできず、ケガの原因にもなりかねません。肌を露出しないようにレッグウォーマーを着けたり、長めのソックスを履くといった工夫が必要です。

また、衝撃吸収という意味ではランニングシューズも季節によって変えるのがおすすめです。冬用にクッション性の高いシューズを用意しておきましょう。クッション性の高いシューズは足が着地したときの衝撃を和らげてくれるので、ケガの予防につながります。

体を冷やさないためには、ランニングウェア選びも大切です。冬は夏に比べ汗の量は減りますが、それでも汗をかきます。汗の吸収力が低いウェアを着ていると、汗がなかなか乾かず体を冷やしてしまいます。さらに長時間のレースでは低体温症の原因にもなりかねません。冬こそ吸水性が良く、速乾性の高いランニングウェアを選びましょう。

また、厚手のウェアを1枚着るのではなく、ランニング中に温度調整ができるように、薄手のウェアを何枚か重ね着しておくのが良いでしょう。

汗をかいていなくても水分補給を忘れずに

汗の量が少ない冬場は、水分補給を忘れがちです。走る前にコップ1~2杯、1時間以上走る場合は、ランニング中も水分を補給します。ランニング後も、のどが渇いてなくてもコップ1~2杯の水分を摂りましょう。ランニング後は体が冷えるのを防ぐため、常温か温かいドリンクを飲むことも良いでしょう。

また、水分補給と同時に、ランニングで失われた栄養素を補給するドリンクがおすすめです。ホットミルクでたんぱく質を補給したり、ビタミンCやクエン酸など疲労回復につながる栄養素が含まれているホットレモン、ミネラルが豊富な温かい麦茶などを用意しておけば、栄養分を補給しながら体を中から温めることができます。

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大河原奈々未

地元横浜のスポーツチームをこよなく愛しています。
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