雪不足がWRCでも問題に!

画像は2016年当時のもの

先日、トヨタが復帰2戦目で優勝して話題になったでWRC世界ラリー選手権のラリー・スウェーデン。雪と氷のコースで行われる唯一無二のオールスノーラリーと呼ばれるこのラリー・スウェーデンが、近年、深刻な雪不足に悩まされている。

年々積雪量が減っていることで、今後、同イベントがWRC世界ラリー選手権の1戦に留まるには、まとまった雪が降っている場所を探し続ける必要があると懸念されている。

雪と氷のコース!ラリー・スウェーデンの魅力

ラリー・スウェーデンは、針葉樹の森の中をそうこうするグラベルコースだが、コースの大半が雪や氷で覆われているため、スノーラリーと呼ばれている。氷点下20度の極寒のコンディションで行なわれ、低温によって油圧系統の機能が落ちたり、逆に雪が詰まることでエンジンがオーバーヒートする恐れもある。

コースは比較的フラット、高速コーナーが連続していて、雪上イベントでも平均速度はグラベルのラリー・フィンランドに次いで高い。コーナーへの侵入では、コースサイドの雪壁(スノーバンク)にマシンの鼻先を当てて向きを変える特殊なテクニックが使われる。
このイベント用に特製スパイクタイヤが投入されている。通常よりもタイヤが細く、接地面の面圧を上げることで、スタッドをしっかり食い込ませている。このスタッドが固い氷を噛むことで、ターマックをしのぐ強いグリップ力が発生する。

近年は地球温暖化の影響で、例年、ヴェーネルン湖の北岸カールスタードを拠点にしていたが、積雪量を確保するためルートを北へ移動し、一部でノルウェーとの国境をまたぐ形をとっている。

雪不足が指摘されるスウェーデン。今後はノルウェーに?

2016年大会では深刻な雪不足に直面し、予定されていた21レースのうち、9レースがキャンセルされる事態となったが、今年の2017年大会は、積雪量も多く、地面も凍結しており、フルスノーイベントらしい姿となっていた。しかしコースサイドの雪の壁に十分な量がなかったとの指摘はあげられていました。

雪壁が高いと、その分コースアウトを防ぐことができるため、イベントの安全性が高まることになる。

ラリー・スウェーデンでは、ノルウェーとの国境付近で標高の高いステージが組み込まれており、そこでは安定した積雪が観測されている。そのため、今後は、ノルウェーでのステージを増やす可能性も前向きに検討されるようだ。

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