その時何が起きた

2017年1月22日。中山競馬場11R アメリカJCC G2のレース終盤4コーナーを曲がり、最後の直線で前のめりに転びレース中止となったシングウィズジョイ。騎乗していたC.ルメールは同日の4レースでも落馬。11レース後、背部打撲、咽頭部挫傷と診断されたが、本人のコメントでは「一回転して腰から落ちた。頭は打っていないし、骨折とか大きなケガをしていなかったのは良かった。1日2回の落馬は初めて。来週は大丈夫だと思う」と話した。
また、4コーナーで前の馬に触れ、つまずいて転倒したシングウィズジョイは左上腕骨骨折と診断され、安楽死処分となった。重賞2勝を挙げる同馬は昨年のエリザベス女王杯で2着に好走し、今年の活躍が期待されていた。ご冥福を申し上げます。

優秀な父を持ったシングウィズジョイ

2012年2月25日に、父・マンハッタンカフェ、母・シングライクバードの間に牝馬で産まれました。産地は北海道の千歳にある社台レースホース。
父・マンハッタンカフェはパッと現れパッと去って行った印象が強く、実績も12戦6勝。僅か、2年10ヶ月ほどの現役生活でした。マンハッタンカフェは、菊花賞を勝ってGIウィナーの仲間入りを果たすと、次走の有馬記念では3歳馬ながら古馬を一蹴してみせた。翌年の天皇賞春も制してGIタイトルを3つとし、同年秋には凱旋門賞に挑戦。その後、種牡馬入りを果たしていた。種牡馬としては天皇賞馬ヒルノダムール、秋華賞馬レッドディザイア、NHKマイルカップの覇者ジョーカプチーノらを輩出。2009年にはリーディングサイアーとなった。シングウィズジョイが2着と終わった昨年のエリザベス女王杯では、1着のクイーンズリングもまたマンハッタンカフェを父に持つ義兄弟。見事、ワンツーフィニッシュを飾ったレースでした。このように2015年8月13日に死亡するまでに、多くのGIウィナー馬を産み出した優秀の父を持ったシングウィズジョイでした。

生い立ち、そして・・・

シングウィズジョイのデビューは2014年7月6日。中京競馬場で行われた2歳新馬 芝1600メートル。2着と敗れたが、次走の2歳未勝利では、1馬身の差をつけ堂々の1着、初勝利を2戦目で挙げました。初めての重賞レースの勝利は2015年4月26日 東京競馬場11Rのサンスポ賞フローラS。ライバルのマキシマムドパリとはクビ差という見事な走りで勝利。その後勢いをつけて、日本ダービー、秋華賞などにも出走するGI場へと成長していきました。1番の輝きを放ったレースは、2016年11月13日 京都競馬場11R 芝2200メートルのエリザベス女王杯。4コーナーを曲がりトップに立ったが、同じ父を持つクイーンズリングに刺されての2着ゴール。クビ差という惜しい結果でしたが、会場のファンたちも大盛り上がりだったのを覚えています。脚質としては、先行から追い込みを得意とし、毎レース、4番手から後方でジッと時を待ち、最後の直線で追い上げていくレース展開でした。
そして、昨日(2017年1月23日)のレースが最期となってしまいました。
今年、ノリに乗った5歳馬。エリザベス女王杯のリベンジが期待できただけに残念な結果となりました。
シングウィズジョイ、ありがとう。そしてさようなら。

関連するまとめ

今週日曜は東京競馬場へ!日本ダービー!第2弾

遂にこの時期が到来!3歳王者決定戦・日本ダービーが今週日曜日 東京競馬場にて開催です!

GI馬・レッドファルクスが意地の勝利!京王杯スプリングC!

サトノアラジンの2連覇がかかった今年の京王杯スプリングC。勝ったのはGI馬・レッドファルクスでした。

未来のマイラー目指して!サウジアラビアロイヤルカップ

2歳の秋の重賞の初戦、サウジアラビアロイヤルカップが今週末に東京競馬場にて開催です。