牛乳を飲むとお腹に不快な症状が現れるのは何故?

牛乳を飲むとお腹が痛くなったり、お腹を壊すなどの不快な症状に悩まされる人って結構いるようです。特に、この症状は大人になってから現れるようで、これには牛乳に含まれる「乳糖」が大きく関係しているようで、これを「乳糖不耐症」と言います。昔から知られてきた症状で、病気ではありませんが、なぜこのような症状が起こるのでしょうか?

「乳糖」って何?

「乳糖」とは、乳にのみ含まれる糖で、単糖類であるガラクトースとグルコース(ブドウ糖)が結びついた構造をしていて、二糖類と呼ばれます。

「乳糖」は「乳糖分解酵素(ラクターゼ)」によって、ガラクトースとグルコースに分解されることで、体内でエネルギー源になります。「乳糖」は乳酸菌の栄養源でもあり、腸内の乳酸菌の発育を助けます。さらに、キレート作用によってカルシウムの吸収を促進する働きもあります。また、消化するのに時間がかかるため、血糖値が上がりにくく、最近では低グリセミックインデックス(GI)値食品として注目されています。

この「乳糖」が、「乳糖分解酵素(ラクターゼ)」が欠乏することにより消化吸収できなくなり、その結果、高濃度になった「乳糖」が小腸に水分を引き寄せ、下痢を起こします。

「乳糖分解酵素(ラクターゼ)」は、なぜ減るのか?

「乳酸分解酵素(ラクターゼ)」は、成長と共に減るもので、日本人なら誰しもに起こることのようです。基本的に、「乳糖分解酵素(ラクターゼ)」は、赤ちゃんの時に母乳を飲むから必要であり、大人になってからは必須ではなくなるため、減っていくようです。その減り方が大きい人というのが、大人になったら牛乳が飲めなくなった人ということでしょう。

ちなみに、日本人より、欧米人の方が分解が容易だそうです。これは欧米人が1万年前くらい前に牧畜が開始された頃から牛乳を飲んでいるのに対し、日本人の多くが牛乳を飲むようになってからはまだ100年も経っていないことが考えられるようです。欧米人は、1万年の時間を費やして徐々に大人でも乳糖を分解できるように身体が対応していったと考えられますね。

お腹が痛くならないためには、、、

牛乳を飲むとお腹が痛くなったり、不快な症状に見舞われる人は、「乳糖」が分解できなくなっているとはいで、その程度は人によって様々。なので、工夫すればお腹を痛めずに牛乳や乳製品を口に出来るようです。

冷たい牛乳は避ける!

牛乳に限らず、冷たいものを飲み過ぎるとお腹に不快な症状が現れますが、これは寒冷刺激によるものです。冷たい牛乳を飲むと「乳糖」と、この寒冷刺激の相乗効果で不快な症状を誘発してしまいます。なので、牛乳を温めることで冷たいものよる刺激が無くなり、お腹に優しくなります。

乳糖の少ない牛乳!もしくは他の乳製品を摂取する!

最近では「乳糖」を少なくした牛乳も販売されているようで、お腹の症状が気になる方にはおススメですね。また、あえて牛乳を飲まず、他の乳製品で代用するという手もあります。

乳製品をつくる際、牛乳に乳酸菌を添加して発酵させるそうですが、この時に乳酸菌が「乳糖」を栄養源として消費するため、牛乳より「乳糖」の含有量が減っているそうです。また「乳糖」は、ホエイ(乳清)に多く含まれているので、製造の工程でこれを取り除くチーズはさらに「乳糖」の量が少ないそうです。

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