春のマイル王の決定戦・安田記念。今年も東京競馬場にて開催されました。
満員となったスタンドを埋め尽くす競馬ファンたちの熱い視線が降り注ぐ18頭の強馬たち。
マイラーズカップ、京王杯スプリングカップを勝ち抜いた重賞馬ひしめく出走メンバーたち。東京競馬場G1のスタートを示すファンファーレが高々鳴り響くと、一斉に満員のスタンドからも大合唱。地響きを起こすほどの大声援でした。
そんな中始まった春のマイルの締めくくり「安田記念」。
今年も飛び出したのはあの馬でした。さて、どんな結末を迎えたでしょう。

昨年の覇者ロゴタイプ!

昨年はスタートから一気に駆け上がりハナに立ちレースを支配する形に持っていけたロゴタイプでした。そしてスローに持ち込めたことにより、ラストも余力たっぷりの状態で押し切り、モーリス相手に完勝のレースで春のマイル王に輝いたロゴタイプ。それもあってか、今年はロゴタイプに対するプレッシャーとマークがキツイ展開が予想されていたために、8番人気という形で出走を迎えました。
スタートはまずまずで、8枠から一気にウチへ切り込み昨年同様にハナに立ちレースを引っ張る展開に持ち込めた感じでした。しかし予想以上にロゴタイプへの圧力が後ろからかかり、落ち着くことが出来ずに1キロ通過。60秒前後とほぼ平均スピードで突入した3コーナーでもディサイファが押し上げてきたこともあり一呼吸入れさせてくれない展開でバタバタした状態で4コーナーへ。正直、ここまでかなと思っていた矢先にギアチェンジ。
ラスト3ハロンでラストスパートのトップギアへ。後続馬をグングン離していき、思わず「強い」と叫んでしまったほど。正直、ここまで基礎スピードがあるとも思っていなかったし、ここまでスタミナがあるとも思っていなかっただけに「おー、おー、おー」とも吠えていたほどでした。しかし最後はサトノアラジンに差され、逃げ切ることが出来ずに連覇の夢が途絶えた瞬間でした。それでもこの2着内容は素晴らしいもので、鞍上・田辺騎手にも拍手を贈りたい、そんなレース内容でした。皐月賞馬の意地、モーリスに勝った意地を見せつけるに十分な満足する走りでした。

G1 4連勝をかけた大一番!ルメール鞍上・イスラボニータ!

先日の安田記念前哨戦のマイラーズカップで、約2年半ぶりに勝利の美酒を味わえたイスラボニータ。更に、ここ最近、絶好調のルメールが鞍上ということもあり、まさに戦闘態勢バッチリといったイスラボニータ。当然のことながらの1番人気で出走となりました。
スタートはまずまずでしたが、やはりロゴタイプに行かせるしかない形となり後退。ロゴタイプの後ろに張り付きたかったところをサンライズメジャー、ディサイファ、ヤングマンパワーがいたことで、仕方なく中に入り込んでレース展開を見るハメになってしまいました。
前日の鳴尾記念のバンドワゴン同様に、結局、出したいところで塞がってしまい、前が開いた時には既に遅しといった内容で、この馬を持っても8着となんとも不甲斐ないレース内容に。全くのノーチャンスとなった今年の安田記念。正直イスラボニータは不運としか言えない手綱捌きだったとしか言いようのない結果でした。
全ては枠組でハンデを追っていたと思え、外からロゴタイプに行かせたなら、そのまま外で踏ん張るレースでも出来たように思えたのは私だけでしょうか?

遅咲きのサトノ!サトノアラジン悲願のG1制覇

過去4年の勝利ジョッキーに共通しているのは、全員名前に「田」が付いている事。また通算の勝利数では、昨年のロゴタイプのように6歳馬が勝利しているということ。
この条件に当てはまるのが、24戦目にして悲願のG1制覇、安田記念を制したサトノアラジン&川田騎手コンビ。やはり法則に則った感じで幕を閉じた今年の安田記念。
前走は重馬場と超不良の中での発走となり、全きと言っていいほど得意の末脚が不発。1番人気も9着と大きく裏切った内容でした。今回は超高速馬場状態で舞台は出来上がり、それに応えたように上がり3ハロン33.5は出走メンバーNo.1の上がりラップタイム。
条件がサトノアラジン寄りの好条件の中で、ようやく勝ちきることが出来た内容でした。
最終400mから一気にトップギアへ。正直、ロゴタイプ圧勝と思ったゴール直前で差し切り悲願のG1制覇となりました。
あの加速を見る限り、距離延長もOKとみなすことができると思います。流石に宝塚記念はローテーション的にキツイにせよ、秋の天皇賞はGOサイン出てもおかしくないと感じました。

そこで来るのか!?レッドファルクス

ここ最近の安田記念において、1番人気が絡む馬券となっていましたが、今年に限っては絡まず、1番人気のイスラボニータはまさかの8着、2番人気のエアスピネルでさえ5着止まり。
代わりの入ったのが3番人気のレッドファルクス。
ダートから芝に戻して早1年。スプリンターステークスを勝ち切り、続くG1高松宮記念では3着と好走。さらに次走の京王杯スプリングカップで勝ち切り安田記念の切符を手にしたレッドファルクス。今回の安田記念では3番人気を背負っての発走となりました。
個人的には、スプリンターとしては強いが、マイルとなれば話は違く、ラストで得意の末脚が伸びないと思っていました。ましてや東京競馬場。東京競馬場のマイルといっても、坂を登る最後の直線を思うと、1800〜2000mを走りきるスタミナを必要とされるレース。現に、大阪杯でキタサンブラックみ詰め寄ったステファノスやアンビシャスが出走しているのが良い例としてあげられるレース。とういうこともあり、正直レッドファルクスは切った馬でもありましたが・・・得意の末脚が伸び、特にラスト200mは眼を見張るものがありました。グレーターロンドンの末脚を勝っての3着は非常に価値のあるものだと思います。

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