「オリゴ糖入り」とパッケージに書かれた食品をよく見かけるようになりました。ひとくちにオリゴ糖と言っても、実はいくつかの種類に分けられます。

オリゴ糖とは

糖質は、大きさによって単糖類、オリゴ糖類、多糖類の3類に分けられます。オリゴ糖には明確な定義はありませんが、一般的には単糖が2個から数十個程度つながった糖類の一種の総称とされています。オリゴ糖の多くは単糖が2個つながった二糖類です。

「オリゴ」とは、ギリシア語で「少ない」を意味し、「少糖類(しょうとうるい)」とも呼ばれます。ちなみに、単糖が数十から数千個程度つながった糖類は多糖類と呼ばれます。

オリゴ糖はおよそ20種類ほどあり、その中には胃や小腸で消化されにくい性質のものがあります。これらは、大腸でビフィズス菌などの善玉菌といわれる腸内細菌のエサとなり、それらの増殖を促します。これによって腸内の細菌バランスが善玉菌優勢になり、腸内環境が整えられるとされています。

最近では、腸内環境を整えるのによいとしてオリゴ糖を配合した健康食品も多く販売されるようになってきました。

オリゴ糖の種類

オリゴ糖の種類はおよそ20種類。その中でも胃や小腸で消化されにくい難消化性の性質を持ち、腸内環境を整えるのに役立つとされる食品に添加されているオリゴ糖には、主に以下のものがあります。

●フラクトオリゴ糖
主な原料は、ショ糖です。ビフィズス菌の増殖を促進し腸内環境を整える作用があるほか、虫歯になりにくいのも特徴です。また、低カロリー甘味料としても使用されます。近年では、免疫機能向上機能の研究も進んでいます。アスパラガス、ニンニク、ゴボウ、タマネギなどの野菜類に多く含まれています。

●イソマルトオリゴ糖
グルコース(ブドウ糖)が3~7個つながった糖のうちの分岐構造を持つものがイソマルトオリゴ糖です。腸内環境を整えるほか、熱や酸に強く、防腐作用があるため、保存食に用いられることもあります。はちみつや味噌、醤油などに多く含まれています。

●ガラクトオリゴ糖
乳製品などに含まれるガラクトースと呼ばれる糖を主成分とします。消化酵素に消化されにくく低カロリーです。フラクトオリゴ糖同様ビフィズス菌の増殖を促すほか、タンパク質の消化・吸収を助け、便秘や下痢の改善にも役立つとされています。母乳や牛乳に含まれています。

●大豆オリゴ糖
大豆に含まれるオリゴ糖の総称です。熱や酸に強い性質があり、他のオリゴ糖よりも少ない量で腸内の善玉菌を増やすことができるとされています。

オリゴ糖には、さまざまな健康に寄与する効果が期待できますが、摂りすぎることでお腹がゆるくなってしまうこともあります。摂取する際は、商品の注意書きなどを読み、適量を摂取するようにしましょう。

オリゴ糖摂取時の注意点

オリゴ糖は胃や小腸で消化されにくいゆえに、急に大量を摂取すると、お腹がゆるくなったり、張ったりする場合があります。体質的に合わずお腹が緩くなりすぎることもあるため、少量から摂るようにするのがおすすめです。

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