今、話題の『ヌードルハラスメント』

ラーメンなどの麺類を食べる時に、大抵の方は音をたててすすって食べるのが普通ですが、「ヌードルハラスメント」は、この日本人が麺を“ズルズル”とすする音が外国人にとっては不快な音に感じるといったものです。確かに、食事中に大きな音をたてることがマナー違反とする国は多いとは思いますが、日本では『麺をすすって食べる』ということが文化として根付いています。

以前からネットでは話題になっていましたが、11月14日に放送されたフジテレビの情報番組でヌーハラが取り上げられてから一気にこの言葉が広がったと思われます。この番組内で日本にいる外国の方に、麺をすする音についてインタビューを行ったところ、「うるさい」「不快」「トイレの音のよう」と不快感を示す人が多くいました。

ただ、この話題が取り上げられると、「日本の食文化を外国人にとやかく言われる筋合いはない!」「嫌なら蕎麦屋に入るな!」と一刀両断するMCもいるなど、ヌーハラに対して批判的な声が目立ちました。

配慮が必要?なぜ日本人は麺をすするのか?

ただ、この問題に対しては、2020年の東京五輪に向けて外国人への配慮が必要という観点から賛成の声もあり、また若い女性を中心に賛同の声もあるそうです。

確かに日本人でもクチャクチャと音を立てて食べている方は不快と感じますし、外国の方が麺をすする音を不快に感じるのも分からなくはありません。

では、なぜ、日本人は麺をすするのでしょうか?
麺の歴史は非常に古いですが、現在のような麺類として普及しだしたのは江戸時代。朝鮮の僧がそばを伸ばすための「つなぎ」に小麦粉を入れることを南都東大寺に伝授して以来、急速に麺類として普及することになり「そばきり」という名称で呼ばれるようになりました。そばきりは当初、菓子屋で出されていましたが、当時の菓子屋は男女の遊びの場所でもあり、2階にある座敷での逢瀬の前後に細切りのそばをさっと「すする」のが「粋」とされていたそうです。以来、それが『麺をすする』という日本の食文化として根付いてきた訳です。

ただ、麺類をすすることには美味しく感じる効果も科学的に証明されています。
第1に、すすることで「香りが広がる」という効果があります。音をたててすすることは、一緒に空気も吸うことになり、鼻から香りが抜けて、より香りが広がって美味しく感じるのです。

第2に「麺に汁を絡ませる」ということ。麺の汁は粘度の低いものなので、普通に持ち上げると汁は落ちてしまいます。勢いよくすすることで、麺と汁を一緒に味わうことが出来るのです。

第3に「火傷を防止する」という効果もあるんです。音を立ててすする事により空気も一緒に吸うという事がわかりましたが、冷えた空気と熱い麺を同時に口の中に入れる事により、火傷を防止する事ができるそうです。程よい熱さで食べる事により、火傷を防ぎ、より美味しく食べられる効果もあるのです。

『麺をすする』という行為がマナー違反となる国があるのは確かです。ただ、「郷に入れば郷に従え」という言葉がまさしく今回の回答になるのではないでしょうか。確かに、外国の方と一緒に食事をする機会があれば、配慮をする必要はあると思いますが、正しい日本の文化として発信し、理解を求めるべきだとは思います。そして、逆の立場になった際には、それを無暗に非難せず、理解しようとする姿勢もまた必要だとは感じます。

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