トレーニングをするのに最も効果的なタイミングはいつ?

トレーニングをしている人の疑問で多いのは「トレーニングをするタイミングは食前が良いのか、それとも食後が良いのか」です。

まずそれぞれのメリットとデメリットを考えてみましょう。

食前トレーニングのメリット・デメリット

メリット

【空腹時は体内における糖分の血中濃度が低い為、脂肪がエネルギーとして使われやすい。】
糖分の血中濃度が高ければ、そのまま糖分がエネルギー源として使われます。(身体にとって効率的なため)しかし、糖分が枯渇している時は、運動エネルギーは脂肪から引っ張ってくる必要がありますので、脂肪燃焼には効果的です。

【トレーニング後に食事をすることで、摂取した栄養が使われた筋肉のほうへ運搬されやすい。(脂肪になりにくい)】
トレーニング後に食事をすることで、普段であれば脂肪へ向かうはずの栄養を、疲労している筋肉へ送らなければいけなくなりますので、栄養が余りにくく、脂肪になりにくい食事をすることができます。

デメリット

【貧血やめまいなどを引き起こすリスクがあり、集中力が普段より低く運動自体の効果が落ちやすい】
空腹状態でのトレーニングは、トレーニングそのものの効果や、空腹時に起きやすい集中力低下から、事故・怪我などの危険性に影響を及ぼすことを忘れないでください。

【筋肉からもエネルギーを補給しようとし筋肉が分解される(カタボリック)】
糖分の血中濃度が低いと、筋肉からもエネルギーを得ようとします(カタボリック)その為、トレーニングをしても逆に筋力が落ちる可能性もあります。
ただ、ボディビルダーでもなければ、そこまで気にすることではありません。筋肉にはマッスルメモリーというのがあって一度付いた筋肉を元の量に戻すことは比較的容易です。

食後トレーニングのメリット・デメリット

メリット

【糖分の血中濃度が充分にあるので運動自体の質が高くなる(より重いものを、より長い距離を、より早く運動できる)】
トレーニング効果を高める上で糖分の血中濃度は重要です。
マラソン選手などが、試合前に炭水化物(パスタなど)を摂取するようにお腹が空いている状態では、トレーニングのパフォーマンスに差が出てしまいます。

【貧血やめまいなどを引き起こすリスクが低い】
食前トレーニングのデメリットにあった通り、空腹時は集中力が落ちやすいですが、食後など空腹時でなければ、危険性は少なくなります。

【筋肉が分解されることはほとんどない】
体内のエネルギーを使用する順番は、
血中糖分からのエネルギー → 脂肪からのエネルギー → 筋肉からのエネルギー という順番でエネルギーを使うので、血中糖分が高い時は、筋肉からエネルギーを取る事はほぼありません。

デメリット

【食後すぐに運動すると消化不良を起こす】
食後すぐの運動は厳禁です。
おにぎり1個、バナナ1本程度だったら影響はほとんどありませんが、通常の食後であれば2時間は待ってから運動したいところです。

【運動の消費カロリーが脂肪まで届かずに終わってしまう】
食後は血中に栄養が満ちています。
この状態でのトレーニングは身体にとっては非常に効率が良い(身体にとってエネルギー変換効率が良い)ですが、ダイエット中にとっては、脂肪のエネルギーを使うまで時間がかかったりするので、非常に効率が悪いものになります。

効果的なトレーニングのタイミングは目的しだい

脂肪燃焼が目的の場合

食前のトレーニングが最も効果的です。
脂肪から直接エネルギーを補給する働きは無視できません。
デメリットのひとつであります筋肉の分解も、別のタイミングで筋トレをすることで影響を最小限にすることができます。
しかし貧血などのリスクはしっかりと考えてトレーニングをした方が良いでしょう。

筋肉をつけることが目的の場合

食後の運動が最も効果的です。
筋肉をつけるためには運動パフォーマンスの質が第一です。
限界の重量・限界の回数を増やしていくことでしか筋肉は増えません。
なので体内の栄養が満ちている状態のときこそ一番の筋トレタイミングです。有酸素運動は行わないほうがより効果があります。(カタボリックがなく常時アナボリックにできるため)
筋肉をつけることが目的の場合は、食後にがっつりと筋トレをするのがベストです。

総括

トレーニングをするタイミングは昔から議論されており、上記の内容で一応の決着がついているというのが現状です。
まだ異を唱える研究者やアスリートはいますが、一般の方の運動は上記のタイミングがベストだと思います。

あと、朝と夜の運動効果を比較されることもありますが、食前・食後の違いほど、違いはないとも言われております。

いろいろと効果的なタイミングについて書いてきましたが、あなたが運動を続けられるタイミングこそベストなタイミングであるということも忘れないでください。

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