「脂肪肝」とは

「脂肪肝」は、中性脂肪が肝臓に蓄積する病気です。食事で摂った脂質は、小腸で吸収され肝臓で脂肪酸に分解され、糖質はブドウ糖に分解されて、小腸から吸収された後、肝臓で中性脂肪に変化します。摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスが取れていればよいのですが、脂質や糖質を摂り過ぎていてさらに運動不足の場合には、使いきれなかった脂肪酸やブドウ糖が中性脂肪として肝臓に蓄えられてしまいます。

また、お酒の飲み過ぎでも肝臓に中性脂肪がたまります。これは、アルコールが分解する時、中性脂肪が合成されやすくなるからです。また肥満になると、肝臓での脂肪酸の燃焼が悪くなるので、やはり肝臓に中性脂肪がたまります。さらに、極端な食事制限など無理なダイエットをした人も「低栄養性脂肪肝」と呼ばれる脂肪肝になることがあるので注意が必要です。

「脂肪肝」は、従来、肝臓に中性脂肪が蓄積するだけで心配のない病気と考えられていましたが、NASHへの進行のほか、狭心症や心筋梗塞など心疾患の合併率が高く、生活習慣病の温床となることがわかってきました。

脂肪肝には痛みなどの自覚症状がありませんが、血液がドロドロの状態になり血流が悪くなるため、全身の細胞に酸素と栄養分が補給されなくなり、疲れやすい、肩がこる、頭がボーッとするといった症状が出ることもあります。

生活習慣を改善しよう

「脂肪肝」の原因が生活習慣であれば、生活習慣を改善すれば治ります。食事療法、運動、禁酒を行い、体重を2kg減らしただけで、肝臓にたまった中性脂肪が減り、肝機能が回復するそうです。

内臓脂肪や皮下脂肪と違って、肝臓についた脂肪はとれやすいのですが、一方で脂肪は肝臓からつくという特徴があります。一時的に脂肪が減っても、生活習慣が元に戻れば再発します。再発した脂肪肝はNASHに進みやすい傾向があるので、悪い生活習慣を断ち切るようにしましょう。

有酸素運動で脂肪肝を改善しよう

脂肪肝は、有酸素運動をすることで改善が期待できるといわれています。具体的には、普通に会話ができて少し汗をかく程度で、長時間続けられる運動がよいとされています。たとえば、ウォーキングやサイクリングなどがおすすめです。目安として、毎日20分以上できるとよいとされていますが、週に3回以上の運動を合計20分以上になるように数回に分けて行っても効果が期待できるといわれています。

また、筋肉をつけると脂肪が燃えやすくなるため、筋肉トレーニングは脂肪肝の改善に役立ちます。特に糖代謝においては、全身の糖質の約7割は骨格筋(骨格に沿ってついている筋肉)で消費されると考えられています。そのため、運動で骨格筋を増やすことは脂肪肝の改善につながると考えられるのです。

具体的には、スクワットなどの筋肉トレーニングがおすすめです。インナーマッスルを鍛えれば基礎代謝が上がって、太りにくい体に近づきます。

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