「かき氷のシロップ」は全部同じ味?

近年のかき氷ブームによって、様々なかき氷がスイーツとして楽しまれています。いまではバラエティ豊富にいろいろな味がありますが、昔はイチゴ、メロン、レモンの3種類が定番でしたね。夏はかき氷を食べるたびに、どの味にするかワクワクしていたような気がします。

ところが最近、これらの「かき氷のシロップ」は全部同じ味と言われるようになりました。いったいどういうことなんでしょう?

「かき氷のシロップ」の原材料とは

「かき氷のシロップ」の原材料は、メーカーによって多少の違いはあるものの、ぶどう糖果糖液糖、香料、酸味料、保存料、着色料の5つが基本的な原材料になります。

基本的にどの「かき氷シロップ」も同じ原材料で作られているため、実は味には明確な違いがないそうです。違いがあるのは、香料と着色料のみです。例えばイチゴシロップは、赤色の合成着色料、または赤色の植物由来の色素を用いていて、そこに酸味料を加えて、果物の酸味を再現しているそうで、そのほかのシロップも同じなんです。

なぜ「かき氷のシロップ」は、違う味に感じるのか?

人間はまず“視覚”で食べ物の情報を得る

人間は食べる前、まず“視覚”で情報を得ます。食べ物がどのような形や色をしているのか認識し、硬さや食感までイメージするそうです。“視覚”で得る情報はこれまでの経験に基づいていて、たとえば“イチゴ=赤”とインプットされているので、赤いかき氷を見ればイチゴ味だと思い込んでしまうそうです。

試しにシロップの色を確認せずにかき氷を食べると、何の味か分からなくなるそうで、オレンジジュースを濃い茶色に着色したとき、正しくオレンジジュースだと判断できたのは、56%にとどまったという実験結果も出ているそうです。

“嗅覚”も味覚に影響を与える

風邪で鼻が詰まっているときなど、食べ物の味を感じにくくなることがあります。実は“嗅覚”も味覚を感じるための大切な感覚なんです。食べ物の臭いを鼻の奥の細胞が感知し、その情報が脳に伝わることで味を区別してていて、鼻が詰まると味が感じにくいのは、臭いが感じ取れなくなり、情報の判断が遅くなってしまうからなんです。

「かき氷のシロップ」に用いられている香料は各果物に近づけているため、臭いでその味だと感じてしまうそうです。

「かき氷のシロップ」は人間が味を感知する仕組みを利用している!

これは「かき氷のシロップ」だけでなく、無果汁の炭酸飲料も同じメカニズムでできているそうです。ほぼ同じ原材料の飲料水に、異なる着色料と果汁フレーバーを用いることで味に違いを生み出しています。無果汁のフルーツキャンディーや、駄菓子なども同様のメカニズムで、これらは人間が味を感知する仕組みを利用した商品なんです。

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