「中鎖脂肪酸」と「長鎖脂肪酸」

普段、我々が口にしている油は、「長鎖脂肪酸」と呼ばれるものです。これは、分子が長い鎖状に繋がっているもので、体内で吸収された後、体脂肪として蓄積されて、必要に応じてゆっくりとエネルギーに変わります。身体に不可欠なものですが、摂りすぎることで肥満を招き、メタボリックシンドロームを増長します。

これに対し、いま注目を浴びているのが「中鎖脂肪酸」という種類の油です。中鎖脂肪酸は、鎖の長さが長鎖脂肪酸の約半分なので、消化吸収が早く、門脈から直接肝臓に運ばれて速やかにエネルギーに変わります。また、体内でケトン体に変わりやすいのも特徴です。

脳機能にも効果が期待できる「中鎖脂肪酸」

最近、脂肪がつきにくいオイルとして、MCTオイルが話題ですが、これも「中鎖脂肪酸油」です。長鎖脂肪酸と比べて、中鎖脂肪酸はすぐに肝臓に届くため、エネルギーとして使われやすく、体脂肪になりにくいというわけです。

近年の研究により、特徴的な消化吸収メカニズムと、体内で分解・利用されやすい性質をもつ「中鎖脂肪酸」は、認知機能とも関係する可能性があることも分かってきているそうです。

脳がエネルギー源として糖質を上手に使えていないことがアルツハイマー病の原因としてあげられますが、これに対して、肝臓で中鎖脂肪酸から生成される“ケトン体”と呼ばれる物質が、糖質に替わるエネルギー源として脳で利用されると、認知機能に良い影響を与えることが報告されているそうです。

近年、油が見直されている!

オイルや脂質というと、体重が増える、健康に悪いなどの悪いイメージしかありませんが、近年は、“体に脂肪がつきにくい”オイルが注目されたり、ココナッツオイルのブームが訪れるなど、オイルへのイメージは変化しつつあると言えます。健康や美容に効果のあるものもあるので、そういったオイルを日常的に取り入れていれて活かしましょう。

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