夏の海の大敵

最近クラゲの大発生が、あちらこちから報じられています。発電所の海水取り入れ口を塞いでしまったり、漁の網に大量に入って邪魔をしたり、厄介者のクラゲですが、この時期、海辺で楽しむ人にとっての問題はクラゲの毒針です。クラゲには、毒針を打ち出す刺胞と呼ばれる器官をもつものがあります。そもそもは、小動物を捕食したり、自らの身を守るためのものですが、人が触れると大変です。

クラゲに刺された時の症状

クラゲの毒による人への影響は、クラゲの種類によっても異なります。刺されても何も感じないもの、少しチクチクする程度のものから、激痛を生ずるもの、中には肺に水がたまる肺水腫と呼ばれる状態となり呼吸困難に至るものまで様々です。丁度、ハチに刺されたときの反応に似ていますね。
毒性の強いクラゲの一例をあげてみましょう。アンドンクラゲ、カツオノエボシ、ハブクラゲ、オーストラリアウンバチクラゲ。あまりなじみのない名前ばかりです。この時期、日本の海岸で刺されるのはアントンクラゲによるものが多いそうです。中には、刺された場所は痛くならずに、1時間以上経過してから筋肉痛や呼吸困難を生ずる毒もあります。日本海側や東北、北海道の海岸で見られるカギノテクラゲはこの種類です。

応急処置

1)クラゲの触手の除去:クラゲに刺された場合の一般的応急処置として、手袋をしたり、タオルなどを使ってクラゲの触手を取り除きましょう。(とはいっても手袋など持参して海水浴に行く人も少ないとは思いますが)。粘着テープなども良いといわれていますが、圧迫しては逆効果ですから注意が必要です。
素手で取ると、取ろうとした指にも毒素が広がる可能性がありますから注意しましょう。

2)取る方法がなければ、ライフセーバーの詰所や、近くのクリニックを受診して取ってもらうことが早いかも。
ある程度取れたら海水で洗いましょう:真水で洗うと皮膚についたクラゲの細胞から毒針が発射されやすくなります。

3)酢酸(食用酢):酢酸は刺胞から毒針が出るのを防ぐ効果があるといわれていますが、クラゲの種類によって異なるとの報告もあります。上述のアントンクラゲには効果があるようです。
ただし、毒素の中和の効果はありませんから、触手を除去する必要は変わりません。

4)触手が取れたら、炎症反応を抑えるために、氷や水で冷やしましょう。

5)腫れ、痛みがひどい場合には早めに病院へおかかりください。
ステロイド外用剤・抗ヒスタミン剤、鎮痛剤などを使用して、症状を抑えます。

6)アナフィラキシーショック
“ハチに2度刺されると死に至ることがある“ 聞いたことがあると思いますが、クラゲの場合も同様に、2度目に刺されると、急激なアレルギー反応を起こすことがあります。”アナフィラキシーショック“という言葉、学校給食の食事アレルギーの反応で、一般的にもよく知られるようになった言葉ですが、これらはすべて、人が外敵(異種抗原)がら守るために備えている防御機構(抗原抗体反応)が,過剰に発現してしまうために起こる反応です。

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