温泉の泉質を理解してみよう

寒くなったら思わず入りたくなる温泉。
体を温めて癒されたいですよね。
そんな温泉ですが、泉質によってその効果が大きく違うのをご存知でしょうか?
お肌に良かったり、肩こり腰痛に良かったり、病気治療に良かったり。それは泉質によって得られる効果の違いなのです。

泉質別効果

◎単純温泉

単純温泉は「成分が単純な温泉」なのではありません。含有成分の合計が一定の量に達していないものなので、いろいろな系統の温泉があり、実際に一番種類が多いともいえます。成分が薄い分、マイルドでお肌にやさしい温泉といえるので刺激も少なく、どんな方でも入浴しやすい温泉です。

◎塩化物泉
主成分が塩分なので塩辛く、よくあたたまる温泉です。
入浴すると塩分が肌表面に付着し、湯上り後も肌の乾燥や汗の蒸発を防いでくれるので、湯冷めしにくい温泉です。保温&保湿作用が期待できるので乾燥肌や冷え性の方におすすめです。また、湯上り後も温かさが持続する分、エネルギー消費の時間も長くなり、ダイエットしたい方にもおすすめです。

◎炭酸水素塩泉
「炭酸水素塩泉 」の旧泉質名では「重炭酸土類泉(カルシウム-炭酸水素塩泉とマグネシウム炭酸水素塩泉)」と「重曹泉(ナトリウム炭酸水素塩泉)」に分かれていました。
「重炭酸土類泉(カルシウム-炭酸水素塩泉とマグネシウム炭酸水素塩泉)」は鎮静効果があり、リラックス効果が期待できます。
「重曹泉(ナトリウム炭酸水素塩泉)」は古い角質をやわらかくして皮脂を乳化させて汚れを落とす石鹸のような役割をします。肌の表面をなめらかにスベスベになる「美肌の湯」と呼ばれる温泉に多い泉質です。また、肌表面から水分の発散が盛んになり、湯上り後は爽やかでスッキリします。

◎硫酸塩泉
含有成分により「ナトリウム-硫酸塩泉(芒硝泉)」「カルシウム-硫酸塩泉(石膏泉)」「マグネシウム-硫酸塩泉(正苦味泉) 」に分かれます。
「ナトリウム-硫酸塩泉(芒硝泉)」は、お肌に水分を運びコラーゲン生成のサポートが期待できる、潤い補給の泉質。美肌力をアップしてくれるアンチエイジングの湯ともいえます。
「カルシウム-硫酸塩泉(石膏泉)」は鎮静作用があり、乾燥肌のかゆみを抑えてくれます。石膏成分が肌の表面にうすく付着するので、肌触りもしっとり、さらさらの美肌に導いてくれます。
「マグネシウム-硫酸塩泉(正苦味泉)」にも同様の作用が期待でき、美肌に導いてくれます。

◎二酸化炭素泉
入浴すると全身に炭酸の泡が付くのが特徴です。ただ、湯温が高くなると炭酸が気化してしまうため、湯温が低いのが一般的です。炭酸ガスには血行促進作用があるので、全身の血行がよくなります。リンパの流れも促進され、むくみ解消、老廃物排出の促進作用も期待できます。

◎含鉄泉
鉄分を含むので空気に触れると徐々に酸化して赤褐色に変化していきます。
鉄分はハツラツな美肌に欠かせないミネラルです。貧血症や疲れが取れない、顔色が悪い、手足の先が冷える方などにもおすすめです。

◎硫黄泉
単純硫黄型と硫化水素型があり、ゆで卵のような匂いがするのは硫化水素型で、単純硫黄型はあまり臭いません。硫黄型は空気に触れると成熟され黄白色や緑白色のイオウ沈殿物が出てきます。イオウは解毒・殺菌作用があり、慢性皮膚病の療養にも活用されています。また、硫化水素ガスには毛細血管拡張作用があるので、血液の流れも改善されることが期待でき、この代謝促進作用により、便秘解消、デトックスなどが期待できます。

◎酸性泉
酸性度の高いお湯で、刺激が強く、肌の弱い人は湯ただれを起こすこともあります。殺菌・解毒作用があり慢性皮膚病の療養に活用されています。
「酸性泉」「アルミニウム泉」はお肌を引き締める<アストリンゼント>のような泉質で、肌のキメを整えたり、リフトアップが期待できます。また、酸性の温泉は肌表面を溶かすピーリング作用があるので肌表面のリセットにもなります。
刺激が強いので、入浴後はシャワーなどで十分流してから上がりましょう。

◎放射能泉
放射能というとからだに悪いというイメージがありますが、温泉に含まれるラドンは気体になり空気中に散ってしまうので心配ありません。放射能の温泉地には「子宝の湯」と呼ばれる名湯が多くあり、自律神経のバランスを整えてくれるサポートをするといわれています。ストレスで心身のバランスが崩しがちなときにゆっくり入りたい温泉です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
一概に温泉といっても泉質が違うだけでこれだけの効果があるんです。
よく脱衣所に温泉標記が出ていますので、自分が入る温泉がどんな泉質か調べるのもまた温泉に入る楽しみといえますね。

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